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March 20, 2004
手のひらサイズの手ぶれ補正10倍ズームデジカメ、PowerShot S1 IS
結論から言いましょう。欠点は、やや小さ目の液晶画面サイズと、CCD が 1/2.7 インチの 320 万画素と解像度としてはちょっと物足りない事。それらを問題としなければ、とても良いデジカメです。長い旅行に一台だけデジカメを連れて行くとしたら、こういうカメラを選んでしまうのでしょう。当方は昨日、今日と二日間使い込んで、かなり気に入りました。本日分の曇天下の作例を加えたフォトアルバムは、こちらを御参照下さい。
PowerShot シリーズと比較すると、G シリーズの良い血筋を、かなり受け継いでいる。バリアングル液晶、ボタン類の配置、モードダイヤル。これらは G シリーズや IXY シリーズを使って来た Canon 党の方なら、マニュアルを見ずに使いこなす事が可能だ。殆ど全てのボタンが、右手親指の範囲内にあるインターフェースが嬉しい。きびきびと操作出来る。
大きさは、G シリーズより一回り小さい。あえて言えば、Olympus の10倍ズームカメラの U-7xx シリーズと PowerShot Gx シリーズの中間程度の筐体サイズ。この中に10倍ズームと光学手ぶれ補正機構を収めてしまうには、なかなか設計の苦労があったに違いない。コンパクトさの中でバリアングル液晶の使い勝手を残す為に、液晶サイズが 1.5 インチに抑えられたのは残念だが、このコンパクトさがデジカメとしての存在感を主張する。アナログカメラでは、この大きさで10倍ズーム内蔵コンパクト・カメラは作れないでしょう、という Canon 技術者の声が聞こえてくる様な気さえする。ライバルの Panasonic FZ10 等と比較すると質量は軽いはずだが、小さい中にメカがぎゅうぎゅう詰めになっているのか、心地よくずしっと来る重さだ。プラスチックと金属を組み合わせたボディ表面の仕上げも美しい。
光学手ぶれ補正だけでなく、キャノン開発の各種技術が、惜しげもなくこのカメラには投入されている。例えば、Ultra Sonic のズーム駆動。この大きさのデジカメとしては、画期的に静かなズーム駆動音。勿論、望遠、広角を切り替えるのも一瞬、だ。希望の画角で止めるのに熟練技を要する程、ズーム速度は速い。
フォーカスはオートフォーカスを利用する事が多いが、マニュアルフォーカス機能も着いている。FZ10 のレンズ周囲のリングを回してのフォーカス微調整に比べると、SI IS は十字キーの上下ボタンによるフォーカス操作なので、使い勝手が特別良いことは無いが、FZ10 同様ピントを合わせる画面中央部分がデジタル・ズームとなり、ピント合わせ作業を補助してくれる。(FZ 10 はさらに、撮影直後の画像確認時に、中央部分を自動拡大してピントが合っていたかどうかを確認しやすい仕掛けを持っているが、S1 IS ではその機能は無い。あくまでマニュアルフォーカス時にのみ、画像中央が拡大される様だ。)
フォーカスに関する機能ではこの他、AF 枠を十字キーで自由に動かせる、アクティブ・フレーム・コントロールの機能、そして自動的に前ピン、後ピン、合焦の3つのフォーカス画像を自動撮影するフォーカス・ブラケットの機能等も面白い。実売5ー6万円のデジカメに、こういう機能迄追加される様になったというのは感慨深い。
インターバル撮影機能も付加された。雲の移動や開花シーンの連続撮影等を、三脚等に固定して楽しむ事が出来る。電池の持ちが、アルカリ電池4本は100枚も撮影しないうちに容量が無くなってしまう等心もとないので、AC アダプタとの接続等が必用になるだろうが、理科の実験的に使ってみたくなる機能ではある。スペック上は、ニッケル水素電池を使えば撮影・再生時間ともに4倍程度に延びる様なので、アルカリ電池は非常用と考えた方が良いのかもしれない。
スイッチオンし、実際の撮影に入れるまでの起動時間は約2−3秒。最近の機種では速いとは言えないが、十分実用の範囲と言えるだろう。起動時に間違えてレンズ・カバーをしたままでも、しまりがきつくないので、レンズのせり出しで自動でカバーが外れてくれる。撮影時のレリーズ・タイムラグは、殆ど気にならない。これなら、シャッター・チャンスをそれなりに狙えるはずだ。連写能力はやや低く、1.7 コマ / 秒。スポーツ写真派には物足りないかもしれない。
もうひとつの注目点は、動画撮影機能だ。640 x 480 の VGA 画質で、かなり長時間の撮影が可能。実際撮影してみたが、十分パソコン上で楽しめる画質で、Mac 上では QuickTime でそのまま撮影画像の再生が可能となる。しかし、何しろ AVI フォーマットなので、動画ファイルは大きいものになる。Fine 画質なら1秒あたり最大 2MBものファイルサイズだ。動画を十分活用するなら、最初から 1GB の CF カード等を用意した方が良いだろう。動画の撮影ボタンは、シャッターボタンとは別の専用ボタンが背面にある。なぜわざわざ別にしたのか。その答えは動画撮影を実際に行うとすぐにわかる。Ultra Sonic の静音ズームは、動画撮影中にも操作可能。(ちなみに他のデジカメは、撮影開始後は、音の問題でズーム駆動を禁止してしまう機種が多い。)ズーム操作リングはシャッターボタンの周囲にあるので、動画撮影時には、右手人差し指でズーム操作を、右手親指で録画のオン・オフ操作をしなさい、ということなのだろう。なるほど。
各種処理速度は、最近の Canon の最新デジカメ同様、高速だ。まとめて画像を削除しても、画像再生時にズームしても、すべてきびきびと動いてくれる。内部処理で待たされるケースは、ほとんど無い。こうやってサクサクと動作してくれると、写真撮影のリズムも速くなるので、好循環だ。
Body デザインはやや丸みがあって、シルバーで、どことなくロボットの様な未来志向デザイン。これには好き嫌いはあるかもしれない。当方は結構気に入ったのであるが。
さあ、明日の休日はこのカメラを持ってどこかに出掛けよう、そういう動機付けとなってくれるカメラである。春めいていく2004年の東京の景色を、このカメラで切り取って行こう。この後に登場する上級機の PowerShot Pro1 も間違い無く素晴らしいカメラでしょうけれど、S1 IS もなかなかのものでした。満足。
March 20, 2004 in e-Gadget Cabin | Permalink
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Comments
minami-san,
レビューありがとうございます。
なんかですね、これは買わないな、と思っていてもですね、minami-sanのレビューを読むと欲しくなってしまったりするわけです。うーむ、悪い人だ。
なにやら、相当遊べそうなカメラですね。動画は相当記憶領域を食いますよー。F-828も最大30fpsのVGAが撮れるのですが、15fpsでもメモリカードが...Muvo2欲しくなりました?(笑)
これのBlack Versionが出たら、やばいかもしれません、私。
Posted by: hawk | Mar 20, 2004 11:57:31 PM
hawk-san
ほーら、PowerShot S1 IS が欲しくなる、欲しくなる.....
hawk さん、次に量販店を訪れる時は、気絶しない様にくれぐれも御注意下さい。
でも、hawwk さん御指摘の通り、あと半年もすると、Black Body で 400 - 500 万画素 CCD の PowerShot "S2" IS が出てしまう様な気がしますね〜。Canon の事、やりかねません。それまで待つと、より幸せになれるのでしょう。ヨドバシの店員の推測では、ライバル機種と価格が開かない様に、コストの安い 320 万画素 CCD に今回は抑えたのではないか、という事でしたが、半年すればそれより大きな CCD も値が下がるに違いありません。
私も基本的には、Body は黒の方が好きですね。カメラ本体はあまり自己主張をしない方が良いので、抑えた黒が良いです。
今日は遠くへ出掛けられませんでしたが、家の近くの桜の木の花が少し開いたので、Zoom で狙ってみました。Photo Album に追加しましたので、ご覧あれ。
Posted by: minami | Mar 21, 2004 10:29:50 PM
どもどもです!
おお、早速買われたのですね~。ひょっとしたら?と思っていたら、ヤハリ(^-^;
サイズ的には「大きくなく、小さくなく」なので、中途半端と感じる人もいるかもしれませんが、操作系は歴代のPowerShotらしさがあふれていますね。私の場合には、いまだにPowerShotG3を使っていたりしますけれども…
液晶が小さいのがちょっと撮影画像を確認しづらい点ではあるかと思いますが、CANONの手ぶれ補正機能についても気になりますし、フォトエキスポでも要チェックの機種ではありました。
実際購入するか、というと私の撮影対象やシーンとはあわないので購入はしませんが、バランスとしてはもう少し価格が下がってくるともっと売れるのでは?とにらんでいたりします。
ではでは!
Posted by: Eri Irikura | Mar 23, 2004 1:05:00 AM
Eri さんどもども。
ははは。御期待に応えて(?)早速手に入れてしまいました。
PowerShot G3 は明るいレンズが良いですね。それにしても Eri さんもデジカメたくさん並行して使ってますね〜。私も人の事言えないですが。最近の使い分けは、普段はau A5403CA の200万画素カメラでモブログ、鞄の中には3万円を切る価格で買えた Optio S4、 プールや温泉、海など水辺には CyberShot U60、スポーツ系写真は PowerShot S1 IS ですね。上級機のところが空いているので、PowerShot Pro1 も気になっています。
S1 IS、確かにライバルのオリンパスのより小型の10倍ズーム機(光学手ぶれ補正機能はついていませんが。)の価格が5万円弱で量販店で売っていて、本機とは1万円の差異があります。10倍ズームだと手ぶれ発生しやすいので、この1万円の差異には価値があるはずですが、店頭で価格差を見てしまうと、より安い方に流れるケースもありそうですね。直接のライバルとなる Panasonic FZ 10 も、ライバル登場に合わせ若干値を下げていますし、この分野の戦いも激しくなりそうですね。
液晶が小さいのは本当に困りものですが、バリアングル液晶での撮影はそれなりに楽しいので、とりあえず納得して使っています。でも、次の機種では 1.8 - 2.0 液晶にサイズアップされるのでしょうね、きっと。
Posted by: minami | Mar 23, 2004 8:02:39 AM
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