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July 07, 2004
Google x Weblog による、情報発信遺伝子の交配と進化
Stats で急に CNET Japan からのアクセスが増えたと思ったら、SW こと渡辺聡さんの CNET Japan Blog、情報化社会の航海図の最新エントリーからリンクを頂いていた。渡辺さんとは共通の知人が居て、(親戚では無いと思われるが)渡辺千賀さんの Party やら、Technorati Meet-up 等でお会いするうちに、気軽に Social Software Marketing 論等を交わす間様になっている。最近 Business 系の Entry は、VC という仕事上、書きにくい(最新の面白いベンチャー関連ネタは、すべからく投資可能性に繋がっていて、触れたくても触れられない部分が多いジレンマがある。)部分もあってすっかり御無沙汰気味な当方 Weblog だが、Google と Weblog をつなぐ点と線に渡辺さんが言及して居られる事も有り、触発されて、Weblog に就いて今思うところを箇条書きとして残してみる。Weblog 業界の第一線からはちょっと引いた立ち位置にいる今、少し広がった、冷静な視点から考えられる事も多い。
・Google 等 Search Engine により効率的取捨選択が進む都市型の情報と、Weblog により分散し大量生産される雑多なパーソナル・マイクロ・コンテンツ的な辺境の情報。この関係を、渡辺さんは「境界と辺境文化の議論」で捉えて居られるが、当方の頭にもうひとつ渦巻くのは、ダーウィンの進化論的な考え方。個々の情報がより豊かに進化する為には、それぞれの情報が新しい情報と出会ってもまれ、影響を受けて、常に変化して行く事が望ましい。その為には、多くの情報の種が生まれる事も必要で、情報同士が切磋琢磨出来る環境を整える必要がある。多様な情報の種を生むのが Weblog で、その切磋琢磨を可能とさせるのが、Search Engine の役割なのかもしれないな、と。
・多産多死化が進む Weblog は、新しい Entry Page が生まれた直後は全く孤立した遺伝子として存在するが、Google の様な優れた Search Engine により雑種交配が進み、それが進む程に、優れたコンテキストや視点・ロジックの進化を生む。書くことだけに集中し始めるとすぐに飽きが来るが、時には Entry の為にキーボードを打つ手をちょっと休めて、Pinger サイトから全くランダムに新しい Weblog を眺めて見る等、情報発信遺伝子の意図的な交配を試みると、Weblog の書き手の心理に興味深い化学変化が起こる。自分と全く異なる遺伝子、情報環境に触れる事は、意図しない程の創造的変化を生む事がある。(組み合わせが悪いと、破壊的にもなり得るが。)
・Weblog は、(地理的にも、精神的にも)全く異なる世界に棲む人たちの情報発信DNAを、垣間見させてくれる。Entry の行間に染み出す書き手の情報コンテキストには、その書き手の多くの情報発信遺伝子が組み込まれていて、知らず知らずのうちにそれが自分の情報創造遺伝子と混合される。その後で書く内容は、自分一人だけで考えていたものとは全く異なるものに成長しているケースが多い。
・こうした情報発信遺伝子の交配は、現実社会でも人の出会いを通じて行われて来ているのだが、Weblog x Search Engine の仕組みが、その効率を飛躍的に上げてしまったのかもしれない。人種的・時間的・地理的な相違を、電子世界は容易に超えてしまう。
・Joi が2年以上前から Weblog が変え行くネット世界を見据えていたのは、こういう新しい情報発信DNAの交配を地球規模で行う事が、最も人類の知のシェアリング効率を高め、リベラルな社会を構成して行く事につながる、と見抜いていたからに違い無い。彼のウェブログが毎日生み出す、刺激的な知の遺伝子は、瞬時に世界を駆け巡る。Joi が進める新プロジェクト、Weblog のリアルタイム・サーチエンジン Technorati (テクノラティ)は、Weblog DNA の混合を更に効率的に進めるハブになるのだろう。
・渡辺さんやその仲間達(この人たちの情報発信 DNA の濃さがまた凄くて、お会いする度にもの凄い刺激を受ける訳だが。守勢に立つと、交配というより、DNA が置き換えられてしまいそうな勢いで怖い(笑)。)と話している時に、容易に見つからないが交配すべき DNA (=情報DNAの洪水に埋もれているが大切な Weblog)を発見することの大切さ、を論じていたが、参照される回数が多い Weblog のランキング・システムだけでも出来無いこの Weblog 発掘機能は、BlogPeople 等の独立系 Pinger サイトが重要な役割を担う事になるのかもしれない。自分と趣味嗜好は全く違っても、自分に大きな影響を与える Weblog を見つけ易くするシステム。その重要性も高まっている。
・かつて担当した、General Magic 社の Software Agent、"Telescript" は残念ながら Internet 前の世界で自動化の夢を追求しすぎて、未完の大器、となってしまった。一方で、Search Engine x Weblog の組み合わせに、適度な人手の介在による Navigation を入れると、本当に役立つ Agent Service ベンチャー企業が成立するのではないか、と今でも考え続けている。端末としては、PC よりむしろ、ハイブリッドな携帯電話が重要だ。こういう目的で会社を建てる時には、単に投資家としてだけではなく、自らも中に入っても良い、とさえ思う事がある。
・TypePad Japan は走り始めたばかりだが、そのトップページ右手の「最新アップデート・ウェブログ」で逐次更新されるウェブログをランダムに眺めるのは、非常に面白い。なにしろ、TypePad Japan は、機能は高くて洗練されてはいるが、無料 Weblog サービスが数多く存在する中、有料である。決して手ごろな料金設定でも無い。こういう尖がった独立系サービスを選択する人の情報発信 DNA は相当気合が入っているのである。Typepad.jp コミュニティも、今後、面白い進化を遂げそうな予感がある。
・しかし、同じ Six Apart 社の新サービスの中で、ライトな認証サービスの TypeKey には、ちょっと異議ありな部分も。渡辺さん達との話してもそういう意見が多かったが、コンピューターが自動的に送りつけるスパム・コメント撃退が第一目的なら、メールのスパムフィルターが採用している様な、人間の目で理解しないと入力出来無い文字を生成して、Comment エントリーの際にそれを入れさせる、というやり方もあるはず。登録しないとコメントできない、というシステムは、円滑で柔軟な Weblog 情報発信 DNA の混合を行うにあたっては、やや敷居が高い感じも否めない。E-Commerce の推薦者を特定する場合には有効なライト認証システムにはなるだろうが、まだその実現方法には工夫の余地がありそうだ。
以上、思いつくままに列記したが、Social Networking Service もネット情報交配エージェントの役割を充実させる中、Weblog x Search Engine のサービス進化とともに新種の Weblog 情報発信 DNA 同士の交配が進み、更に知的進化を遂げた Weblog Author 達が続々と誕生する状況が生まれつつある事を日々、感じる。知識や意見の交配を効率化するインフラが出来ると、次の段階では進化した遺伝子結合による新組織の生成、つまり新世代ベンチャー企業が生まれる環境が整う事になるのだろう。Blogger として初めて知り合った人達が起業する機運は、非常に高まっている。Weblog がここ1年で果たして来た役割には、そういう側面もあったのだろうな、と、渡辺さん and その仲間達の間で飛び交うエッジな議論を聞きながら実感した。この変化に合わせる様に、日本のVCの投資マインドも、変化する部分が出て来るだろう。Google x Weblog の組み合わせで実現した新しい知の遺伝子混合の為のネットインフラが、現実社会にも影響を及ぼしつつある、と感じているのは当方だけではないだろう。
July 7, 2004 in Business Cabin | Permalink
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