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February 20, 2012
フジフィルム X-Pro1 は隅々まで美しく撮影出来る、というレビュー
先日パシフィコ横浜で開催されたカメラの展示会、CP+ (当方のブログ記事はこちらを御参照)で見て触って試した、FUJIFILM 社謹製のレンズ交換式でレンジファインダーライク(OVF/EVF 切り替え機構を内蔵)な外観の新カメラ、X-Pro1 が発売になった。CP+ では、大きく伸ばされたNYの地下鉄が夕闇に浮かび上がる写真の美しさに心を打たれ、登場を心待ちにしていた新機種である。ローパスフィルターが無く、そして X-Trans という APS-C サイズ(16百万画素)の新しい CMOS を心臓部に持つ、フィルムメーカーが自信を持って送り出したフラッグシップ機である。最近はあまりに新しい機構のカメラは登場後しばらく店頭で触る等して様子を見る事も多かったが、X-Pro1 は CP+ で丁寧な操作説明を頂いていた事もあり、事前予約をして発売後すぐに手に入れる事になった。レンズはとりあえず、標準(フルサイズ換算52.5mm)レンズの XF 35mm f1.4R を。早速夜景と、昼のスナップを flickr set に上げて見ると、48時間で set のトップページが flickr 内部からのトラフィックを中心に 5000PV を越えてしまい、世界中から注目されていた機種なのだと思い知る。flickr set のスライドショーは、こちらからどうぞ。
ボディ操作を試して、計算されたボタン配置にまず感心。デジタル時代に多用する、露出補正がまず一番使い易い右上ダイヤルとして鎮座。絞りは、これもデジタルカメラ時代には有りそうで無さそうだった、レンズ側の絞りリングで設定。A マークがロックされないので、撮影中に Auto にしておいたはずの絞りがズレて f16 あたりになってしまった事が何回かあった、というのは少し残念だったが、アナログカメラライクに絞り設定出来るこの仕組みは、かつてのレンジファインダーカメラファンには嬉しいところだろう。スイッチオンはシャッターボタン周囲のリングで。これもスナップには最強。シャッターダイヤルの A マークは、ちゃんとロックが効く。内蔵視度補正が無いところは、このカメラのユーザー層を考えると残念だが、これは外部の視度補正レンズで調整することになる。ボタン配置で、ひとつだけ違和感があったのは、OVF/EVF を切り替える前面のレバー。前機種の X100 (当方の昨年のレビュー記事はこちらからどうぞ)と異なり、レバーが下側を向いて上に支点がある。これは X100 と同じで良かった気がするのだが。いずれにせよ、本体を操作するとわかるが、起動も比較的クイックで、スナップには好適なカメラである。
グリップの具合も良く、当方の様に手が大きいとちょうど良いサイズだが、カメラボディの大きさから、手が小さい女性にはホールドは少し大変かもしれない。見た目ほどには、ボディも、レンズも重く無い、というか、軽さに驚く程だ。これだけの機構を内蔵して、この重さに抑えた点は評価したい。一方で、日々持ち歩くスナップカメラとしては、X100 程度の大きさが上限となるので、その点は今後の機種の小型化は進めて頂き度い様にも感じた。ライカサイズを意識した大きさなのかもしれないし、OVF がスライドで切り替わる物理機構は、とりあえずこの大きさでないと収められなかったのかもしれない。内蔵フラッシュが無い位なので、見えないボディ内部は相当細かく作り込まれているのだろう。ただ、個人的には、もう二周り程小さいカメラの方が持ち歩く気にさせるので好きなのである。
X100 同様、OVF/EVF がサクサクと切り替わる仕組みは撮影していて面白い。OVF ではより広い範囲を見渡しつつ、フレキシブルに移動する液晶フレーム内に構図を決める。(もちろんパララックスはあるので目安に過ぎないが)EVF では、100% の視野率で正確なフレーミングを行う。用途に応じて使い分ける。X-Pro1 では、レンズの焦点距離に応じて、OVF も2種類が切り替わる。説明が難しいので実機に触れて頂きたいが、視野が広いものと狭いもの、二種類あって、それを切り替えると、レンズの焦点距離に応じて OVF 内の液晶フレームのサイズも変るのである。さて、夜景を早速撮影。隅々まで細かい描写が、夜間でも最小限のノイズで行えている。明るいレンズ、CMOS 性能、映像エンジン性能がうまくマッチングしている様だ。
一方で、AF の速度は、最近の m4/3 機の高速 AF 等に慣れていたせいか、若干遅く感じる。まだ慣れないせいか、ピントを外すケースもいくつか見られた。このあたりはカメラへの慣れがまだ必要なのかもしれない。スナップで気軽にパシャパシャ、というよりは、しっかりフレームを決めて、AF の位置を決めて、気合いを入れて撮るというカメラなのかもしれない。ちゃんと構えれば、暗い場所でもしっかり撮影出来るカメラではあるのだが。
35mm f1.4 の、大口径レンズのボケ味はなかなかに味わいがある。m4/3 で気に入っていた、25mm f1.4 Summilux とはまた違った風味である。ボケが強目にデフォルメされるので、好き嫌いは分かれるところかもしれないが。
夜の路地裏での撮影も、その空気感を写し取る様なレンズである。flickr で拡大してみると、細かい描写まで出来ている点が確認出来る。以下は、昼間に撮影した写真数枚。ダイナミックレンジの広さ等、実際の作例で確認して頂き度い。
標準設定でやや気になったのは、赤色が見た目ほどに奇麗に出ない点。これはパラメータを変更しつつ良い具合の設定を見いださねばならないかもしれない。
以上、まずは2日程使っただけの短い期間でのインプレッションではあるが、その大きさと AF のスピード以外は、大きく文句を言う点も無い。新しいセンサーの投入もプラスに作用している、と考えて良いだろう。フィルムメーカーらしい、美しい絵作りと描写性能に重きを置いた一台。今後のシリーズの小型化方向への発展にも期待したい。
February 20, 2012 in Digicame Cabin, FUJIFILM Cabin | Permalink











