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February 22, 2012
Nikon1 V1 のスナップ性能を中心にファーストレビュー
勝手に師と仰がせて頂いているカメラ業界の喪黒福造、笑ゥかめらまん、S師匠から最近、新たなプッシュがドーン!、と来た。相当カメラにウルサイ皆様が集まって話し合った結果、これから自腹で買うカメラを新たにひとつ決めた、というのだ。CP+ 2012 開催直前の事だったので、当方がまだ知らない新機種に違いないと思うとさにあらず。それが実はニコイチこと Nikon1 V1 だったのである。
昨年10月に発売開始された当初は、m4/3 システムや PnetaxQ を中心にミラーレスカメラを利用していた事で、レンズキットの実売9万円台、店頭で持ち上げてみたところかなりの重さの Nikon1 V1 は、当方が購入する対象外リストにすっと入ってしまっていた。ところが S師匠に言われて最近の店頭価格を再確認してみると、なんと半値近くに下落しているではないか!しかも純正アダプターを使えば、豊富な NIKKOR レンズ群が、特に望遠系で活用出来る(Nikon1 はフルサイズ換算焦点距離 2.7倍なので、広角系は辛い)という。これは試さずにはいられない、と早速導入、試写を試みる。
ここ数日での撮影結果は、こちらの flickr set を御覧頂き度い。CMOS の大きさは APS-C や m4/3 より小さく、1インチだ。しかし、その小ささを感じさせない表現力に作例写真で驚かされた。より大きめ写真のスライドショーは、こちらを御参照頂き度い。
P/S/A/M といった撮影モード切り替えがメニュー内に隠れてしまっている点はやや残念だったり、ストロボ取り付けの為の左肩のホットシューのカバーが外れ易い、といった細かな問題点も散見されたが、天板にマグネシウム合金が採用されていて、かなりしっかりした造りの良さが感じられる。レンズキットのパンケーキ 10mm f2.8 も小さく薄型で、鞄に入れる際にかさばらない点も評価出来る。
まずはISO400 位を上限感度に ISO 設定して夜景撮影を試みる。このカメラは MPEG4 ベースで、最大秒間 1200フレームの高速ムービー撮影機能、フル画素60コマ/秒の高速スチル連写機能、等ハイスペックな機能を内包していて凄いのだが、まずはカメラとしての基本動作をチェック。スイッチオンからの起動も高速だ。
まず心打たれたのは、その AF スピードの速さと正確さ。直前に利用した FUJIFILM X-Pro1 の AF 速度・精度にやや満足出来なかった事もあり Nikon1 の動作軽快感にまず心打たれる。それもそのはず、新開発の CMOS はセンサーの中にフォーカス用の素子も埋め込まれている、というのである。スイスイと決まるフォーカスは、そのおかげなのである。最近 m4/3 カメラでも世界最高速AFを謳う機種が続々登場しているが、Nikon1 も体感速度でなかなか負けていない。
スナップカメラとして嬉しいのは、背面液晶と EVF (電子ビューファインダー)の画像の美しさ。背面で92万画素、EVF も 144万画素と、このクラスでは最もきめ細かい液晶が設定されている。街角スナップ写真を一義とする当方の撮影スタイルとして、構えて、撮影して、そして EVF/背面液晶で画像確認、この一連の動作のリズム感、軽快感が最大の評価ポイントとなるが、Nikon1 V1 はかなり高次元にその期待に応えてくれるのである。
これは実際に使ってみないとわからないな...と自分の無知を恥じた次第。こちらのニコン技術者・設計者の方々による Nikon1 開発ストーリーのインタビューを一通り読むと、このカメラにエンジニアが賭けた情熱がヒシヒシと伝わる。そして、その情熱が、ストレートにカメラの利用体験に跳ね返っている様に感じられた。
機械式、電子式の切り替えが可能なシャッター機構を持つが、機械式を選択した際のシャッター音がまたしびれる。小さいながらもニコンらしい音がするのである。こういう細部へのこだわりが、ミラーレス機の中でも群を抜いている様に感じられるのだ。大型デジイチの弟分としてではなく、全く新しい映像体験をする小型機としての強烈な個性が、シャッターを押す指先から伝わって来る。
利用を重ねるうちに、いくつか改善して欲しい部分も出て来る。第一は背面のモードダイヤル。まずはロックが無いので設定したモードがズレ易い。先進機能を出来るだけ使ってもらおう、という開発陣の割り切りなのか、一般の P/S/A/M ではなくモーションスナップショット(撮影する静止画前後の動画を自動撮影)、スマートフォトセレクター(20コマ高速連写から良く撮れた1+4コマを自動選択)、それに静止画、動画の4択になっているが、Nikon1 の第一世代は過渡期にある事もあり、モードはもう少し普通の設定でも良かった気がする。
そして、これはユーザーにより意見は分かれるかもしれないが、EVF を設定したからか、或は別売りのバウンス型フラッシュをオプションで買わせたいのか(そのフラッシュは小型ながら出来は良いのだが)、真意はわからないが、フラッシュが無いのは旅行用カメラ的には厳しい。小型フラッシュを内蔵にしても良かったのでは無いか。Olympus も E-P2 から P3 へのグレードアップ時にそれを実践している。レンズが明るいのでフラッシュを使う機会は殆ど無いのだが、どうしても、という時の保険に内蔵フラッシュはやはり有り難い。モダンなミニマルデザインにしたので無くなってしまった、いや、あえて無くしたと思うのだが、Nikon1 のユーザー層には内蔵フラッシュがあっても良いのではないだろうか、と勝手な心配をしてしまう。
まあ、当方の不満はそんなところ。ややずんぐりむっくりで、石の塊の様に重さを感じる筐体への不満もあるかもしれないが、当方はこのサイズでズシッと機能性を感じる重さは、嫌いでは無い。最後に改善要望をしたが、多くの点はプラス評価だ。というか、今迄ニコイチの良さを見いだせていなかった自分の見識の足り無さを後悔した次第。
Nikon1 の大きさは、鞄に入れてどこにでも持って行きたくなるぎりぎりのサイズ。通勤鞄にかさばらず入り、しっかりとした写真が撮れるデジカメは、現状限られる。CMOS サイズが小さい上級コンデジよりも質感が高い写真を撮ろうとした場合、携帯出来るミラーレスとしては最良な選択肢のひとつ、と言えるのでは無いだろうか。
ともかく、明日もまた何かをスナップしたくなる、そういう一台だ。10mm f2.8 のレンズ描写は相当当方の好みだったので、次は小型でフルサイズ換算望遠端が 300mm となる 30-110mm ズームレンズが導入予定候補である。このカメラのもうひとつの売りである高速静止画・動画撮影も、徐々にテストしてみたい。しかしこのカメラが、レンズ付きで4万円台。気になる方は、是非実利用をお勧めしたい。スタイリッシュで丸みを帯びた愛らしい筐体に、質実剛健で真面目なニコン技術者の魂が封入された好カメラである。ドーーン!!
February 22, 2012 in Digicame Cabin, Nikon Cabin | Permalink













