December 30, 2011
PentaxQ 用 D マウントアダプターで、小さくて深いレンズ沼へ
極小筐体ながら、ずっしり詰まった上級デジイチ譲りの多機能(この大きさで、RAW 撮影対応、プリプロセスの各種デジタルフィルター、シャッター内蔵の ND フィルターまで入っているんですよ、旦那!)としっかりした造り(マグネシウム合金製、ダイヤルのカチリとした動きも良)で、激烈なチーム内競争が続く電脳熊デジカメリーグ1軍の小兵ドリブラーとしての地位を確立した PentaxQ。
単焦点標準レンズの StandardPrime 01 f1.9 が秀逸でこれを愛用して来たが、11月末読んだデジカメウォッチの記事「デジカメドレスアップ主義:Dマウントレンズ事始め」にふと目が止まった。PentaxQ に、auto110 レンズ群よりも小さなレトロ・アナログレンズが、マウントアダプター経由で装着されている!!
記事中の Keystone Elgeet F1.9 レンズは、焦点距離 12.5mm。PentaxQ では 35mm 銀塩換算 5.5 倍の焦点距離になるので、68.5mm、約 70mm の中望遠レンズとして利用可能となっている。銀色に光るレトロレンズと Q ボディとのコントラストもなかなかに素晴らしい。
これは早速、Dレンズ沼に没入せねば、と思いつつ数日が過ぎ、ふと会社の帰りに寄った、恵比寿西口駅前の小型中古カメラに強い老舗、大沢カメラ。マイクロ 4/3 ファンがはまりつつある C レンズだけかと思いきや、D レンズと、そして Pentax Q 用アダプター迄在庫が有るでは無いか!さっそくお店の方に頼んで複数レンズを試着し、第一番目のレンズを物色する事に。
auto110 用レンズは既に4本持っているので、それを装着出来るアダプターの有無を尋ねてみたが、それはまだ無いらしい。
そこで Kipon 製の D レンズアダプターとともに、まずは廉価な焦点合わせが必要無いパンフォーカスレンズを数本物色。それぞれかなり小型で魅力的ではあったが、モノによってはピントが微妙なずれで出ないものもあるので注意が必要、と。多少レンズのネジをアダプターがから緩めるとピントが合う、なんていうケースもあるらしく、これもクラシックレンズならではの、緩やかな楽しみ、か。
パンフォーカス以外のレンズで、レンズが小型、シルバー金属製のものを、と探すと、目に留まったのは Cine-Nikkor C f1.9/13mm。13mm なので、PentaxQ に装着すると、銀塩35mmカメラ換算 71.5mm の中望遠レンズになるのだが、意外にも近距離での焦点も合う。背景ボケも十分確認出来る。これは面白い、という事で早速一本購入。フォーカス、絞りリングそれぞれが極小レンズに内蔵された Nikon 製レンズもあるところが 8mm 用 D マウントレンズ、なかなかの味がある。製造後数十年は経っているはずだが、問題無くレンズのリングも動いてくれる。
Cine Nikkor "C" の C とは、Color 対応のコーティングが施されたレンズである、という事が、こちらの D マウントカメラに大変詳しい方のサイト ksmt.com から判明。同サイトによると、「露出目盛はF値の他に、DULL/HAZY/BRIGHT, SUMMER/WINTERなど季節と天気で合わせることもできます」と有り、自動露出が無かった時代の露出合わせの工夫がレンズに刻印されている事がわかり、再び感動を覚える事に。1955年、昭和30年頃の国産初の 8mm カメラにも装着されていたレンズ、という事で、5−60年前のレトロレンズであるところにまたグッと来た。21000円で購入。オークションでなく、レンズ現物を試してから買いたい方は、恵比寿大沢カメラを強くおすすめ。お店の方も大変親切で、PentaxQ ボディをまだ持っていない場合でも、お店常備の PentaxQ に試着させてくれるサービスも有り。
先述のデジカメウォッチ記事によると、D レンズのレンズ周辺の絵が流れてしまう様なボケを、「ぐるぐるボケ」と言うらしい。Nikkor 13mm でもそのぐるぐる味が非常に良く出ていて、他のレトロレンズとの違いを楽しめる。元々、画像についてもシャープさを強く要求しない 8mm フィルム向けのレンズなので、ピントのシャープさは求められないのだが、撮り進める程に不思議にノスタルジックな、淡い発色と緩いフォーカス世界に没入する事に。これをレンズ沼に沈んだ底から眺めた光景、と言わずして何と表現すれば良いのだろう。シャープな画像が売り物のデジタルカメラ全盛時代に、こんな画像を拝めるなんて。味がある、ありすぎて楽しい。(笑)
PentaxQ で撮影する場合、カラー画像の方が、昔のレンズコーティングによる淡い色を楽しめるのでおすすめ、という事が、作例から判明。
一方で、白黒画像も、ノスタルジックさに拍車がかかるのでこれまた別の趣向で楽しめる訳ですが。
以下、PentaxQ + Cine-Nikkor C f1.9/30mm の作例をお楽しみ下さい。より多くの作例は、こちらの当方 flickr set で御覧下さい。多少大きめ画像のスライドショーは、こちらからどうぞ。
最後に、これを購入すべきかどうか?「それは貴方が決める事です」(家政婦のミタ風)
December 30, 2011 in Analog Camera Cabin, Pentax Cabin, PentaxQ Cabin | Permalink | Comments (0)
September 04, 2011
ナノ一眼 PentaxQ、21世紀 auto110 デジタルの完成度
2011年8月31日。30年の月日を経て、夢のデジタル・カメラが、ようやく姿を現した。PentaxQ。それは、1979 年に同じ Pentax 社が手がけた auto110 の、正当進化ナノ一眼。この日をどれほど待っていたことか。ズームレンズを同梱したキットの発売は9月半ばに遅れたが、とりあえずは標準レンズ付きキットと、他3本のトイ・レンズを手に入れて、早速利用開始。マグネシウム合金製のボディは指先にも伝わる堅牢さで、200gの軽量さに反して、がっしりとした剛性感で頼もしい。絶妙に配置されたモードダイヤルとコントロールダイヤルは、右側上部に配置され、クリック感もしっかり。ギミック的な伸縮フラッシュも、心配された程華奢ではなさそうだ。全体に、一眼レフを長年手がけたメーカーらしい設計の配慮が見える出来映えだ。コンパクトカメラからの進化、ではなく、大型デジイチからのダウンサイズ、という設計思想が理解出来ると、このカメラの真の価値が見えて来る。
外見だけではなく、中身もより大きなデジイチと比較し遜色無く、驚くほど多機能だ。この超小型カメラのどこにそれ程の機能を収めたのか、と驚くほどのデジタル機能の集積。RAW + JPEG の同時記録が可能で、RAW 現像もカメラ内対応。デジタルフィルターも昨今の Pentax デジイチの例に習い、水彩画、ポスタリゼーション等主要なものは全て入っている。しかも水彩画エフェクト等も後処理ではなく、リアルタイム処理で画面を確認しながら撮影出来るから驚きである。PentaxQ のデジタル画像処理エンジンは、超小型で超高速、だ。
フォーカスも25点に対応し、連写は最大5コマ/秒。動画撮影も、Mac 等のパソコンでも処理し易い MPEG-4 AVC/H.264 規格で FullHD 対応だ。動画撮影時の音声は残念ながらモノラルだが、さすがにステレオマイクまで入れる場所は無かったのだろう。
実際の撮影画像は、01 Standard Prime レンズの作例はこちらを御覧頂き度い。(スライドショーでやや大きい画像は、こちらからどうぞ。)本日、03 Fish-Eye 17mm 相当 f5.6、04 Wide 35mm 相当 f7.1、05 Telephoto 100mm 相当 f8 の、3種類のトイ・レンズに関しても試写を行ったので、その作例はこちらで。(スライドショーの大きめ画像は、こちらから。)
Standard Prime は f1.9 と明るい標準レンズで、安定した画像を提供してくれる。1/2.3 インチと小さい CMOS サイズなので、開放ボケは限定的ではあるが、控えめながらもきちんとボケを出してくれる。人工的にボケを作り出す BC (Boke Control) という撮影モードもあるが、こちらは人工度合いが強すぎて、当方的にはあまり使う事は無いという結論。あくまで自然なボケで勝負していきたいレンズである。
3種のトイ・レンズは、適当に撮影している間はマニュアルフォーカスが定まらない印象だったが、使い込むと MF アシスト機能を利用し中央部の画像を 2-4 倍に拡大してピント合わせが出来る事がわかった。おもちゃレンズであるが、実はピントはシビアさが要求される。Far 一杯にしていると無限遠、という事も無さそうで、このあたりはスナップレンズとするには注意が必要だ。Fish-Eye を含めてあくまで一枚ずつ、しっかりピントを合わせて行く必要があるレンズの様だ。
それでもトイ・レンズなので、ピントがぼけた写真も多くなるのだが、たまに良い写真が出来上がる意外性のある面白さ、が味わえる。このあたりは、高品質画像を安定的に結像する Prime レンズと全く別の意味で非常に面白い。トイ・レンズはそれぞれ f 値は固定なので、全て絞り優先撮影となる。フォーカスも、レンズに電気接点があって伝えている為か、自動で AF から MF に切り替わる為、余計な操作は必要無い。特に Fish-Eye の180度画角は劇的なので、面白く使う事が出来そうだ。Wide/Telephoto の2本は、現在は重宝するが、Prime ズームレンズが登場すると出番が減りそうではある。
まだ全ての機能を試せてはいないのだが、前面に配置された、4つの番号を持つクイックダイヤル、この使い勝手の良さに当方は惹かれた。水彩画やモノクローム等のスマートエフェクトを当方は当てているのだが、要はそうしたリアルタイムデジタルエフェクトの切り替えを、専用ボタンで行ってくれるのである。専用ボタンがあるだけで、設定が容易になる事で、エフェクトの利用頻度は劇的に上がる。超小型ながらダイヤルの動作もしっかりとしていて、機能切り替えも素早く、感心しきりであった。
まだ1週間も使っていない PentaxQ だが、大きさは auto110 と同じでも、中身は同社の最新大型デジイチ K5 や K-r から譲り受けた機能も多数。小型/軽量で本機を求める初心者ユーザーも多いのかもしれないが、中上級者でも現在所有しているデジイチのサブ・スナップ機として、活用機会の多いカメラになるのではないだろうか。
30年前に auto110 ユーザーが見た夢は、21世紀のデジタルカメラ職人達の手によって、想像を越える独創的なナノ一眼に進化を遂げた、という事実がひしひしと伝わる渾身の作品。是非店頭で実機を手に取って、その実力を試して頂きたい。
最後に、当方から Pentax さん、または周辺機器メーカーさんへのお願いは、PentaxQ マウント用、auto110 レンズアダプターを開発頂きたい、という点。小さい CMOS なので、特に望遠側の倍率が大きくなって、面白く使えるはずである。Pentax の展示会では K マウントレンズ対応アダプターの試作品は展示された様だが、是非 auto110 用も発売して欲しい。切にお願いする次第。
September 4, 2011 in Digicame Cabin, Pentax Cabin | Permalink | Comments (0)
January 10, 2011
Pentax K-5 ファーストレビュー
そう、当方は K-5 と DA 18-135mm f3.5-5.6 ED AL WR 新キットレンズの組み合わせを新宿センタービルの Pentax フォーラムで試した時に、直感した。これこそが、追い求めていたスナップ用デジイチ・ボディとレンズの最良の組み合わせである、と。しかし、それから随分と遠回りをしてしまった。K-7 を以前利用していた事もあってその後継機を手にする前に、Nikon D7000、そして弟分の Pentax K-r をまず試してみる事になったのだ。それぞれ、良いカメラだった。D7000 は Nikon らしいかちりとした造形で、安定した撮影が可能。Pentax K-r は弟分ながら兄貴分である K-5 の最新機構の多くを採り込み、それでいて小型軽量、コストパフォーマンスの良いマシンに仕上がっていた。普通に使えば、それぞれ文句無し、というか、非常に良いカメラである。しかし、その2機種を経て、K-5 に辿り着いてしまったのはこれまた必然。D7000 とは異なる機構の Live View AF の高速さ、K-r には無い防滴ボディ構造の安心感と微妙な撮影設定の利便性を選んでしまった。既に防滴ズームの 18-135mm を K-r との組み合わせで所有していた、というのも購買につながる大きな動機となった。K-5 には、良き相棒となるレンズである。昼夜にわたる作例撮影を 18-135mm f3.5-5.6 レンズ、35mm f2.4 レンズで行った結果は、それぞれこちらとこちらの flickr set にてお確かめ頂き度い。アナログフィルムチックに仕上がる Pentax 映像エンジンの良さを随所に感じる事が出来るはずだ。
Digital Filter は K-r 同様種類が増えているし、Live View AF の瞬時ズームイン・アウトでピントが合う機能はやはり素晴らしいが、これは K-r でレビュー済みのポイントでもあるので、敢えて多くは語らない事にしよう。
K-5 を選ぶべき最も大きい理由は、初回のテスト時にも指摘したが、実はシャッター音の静粛性、なのである。Nikon や Canon のデジイチは、アナログ一眼レフ時代からのシャッター音の伝統もひきずっているせいか、「一眼レフでござい」的な大きなシャッター音がする。メカニカルな、心地良い音ではあるが、決して「静か」とは表現出来ない。それらと比較し、K-5 のシャッターは驚く程静かだ。普通の撮影だけでなく、ミラーをアップ・ダウンして Live View 撮影を行う時ですら、静かなのである。
京都の寺社内や、子供のピアノコンサート等、シャッター音が騒音となりかねないシーンで、この静かさは本当に有り難い。そして、静かなので、何枚でもシャッターを押してしまうのだ。この静かさは、是非実機を操作して感じて頂き度いポイントである。
それ以外にも、K-7 と比較し高速化が達成された AF、ISO 12800 でもノイズが少なくなった高感度性能、水平だけでなく上下方向も計れる様になったデジタル水準器(当方は側面の RAW/FX ボタンに割り当てて起動している)等、付加価値評価点が多数。個人的には、K-7 では防水性を高めようとした為か出し入れがしづらかった SD カードが、K-5 では出し入れ容易になった点も、普段使いの観点から見逃せない改良点と感じられた。細かいポイントだが、こういう部分が大事である。
K-r ではピントに迷いが生じるケースもあった、白っぽい、或は薄黄色の被写体へのピントも、K-5 では確実に合焦する様だ。Live View AF も、最近 Firmware が ver. 1.0.2 にアップデートされて、更に高速化、使い勝手が向上している。
ともかく、不思議と愛着が湧くデジイチなのである。重さは K-r のボディに加える事 120g 程度増加したのだが、それが気にならない程、フラッグシップデジイチにしては小型ボディである。各所に連れ出して、撮影設定パラメーターを色々いじって楽しんでみる事としたい。2011 年のデジクマチーム一軍トップ選手は、Pentax K-5 で「当面は」不動となりそうだ。
January 10, 2011 in Digicame Cabin, DSLR Cabin, Pentax Cabin | Permalink | Comments (0)















