知る人ぞ知る、知らない人は全く知らない地元中野のカメラ屋、フジヤカメラ。新品、中古の良質なカメラを扱う、アマチュアカメラマンからプロまで集まる店で、実は長い歴史があるのだが、中野の駅から徒歩1分の商店街の中が本店、という立地なので、近隣の人や通販を良く利用する人以外は殆ど知らないカメラ専門店である。デジカメ全盛の時代になっても、店の主力商品はあくまで一眼レフを中心とするアナログカメラ。店員も、カメラ知識豊富な人ばかりで安心して質問出来る。小さい店だが値引き幅もそれなりで、新宿の量販店でポイントサービスを割り引いた価格よりも安い現金価格で新品カメラが売られる事もしばしばあり、目が離せない。当方のカメラ愛好癖は、歩いて行けるこのカメラ店に中学生の頃から出入りしていた事ですっかり染み付いてしまった。さて、今日1月3日は、このフジヤカメラが1年で一番熱く燃え上がる日である。恒例の、フジヤ福袋の新春大売り出し。この福袋、毎年そうなのだが、なかなかお得なのである。フジヤカメラの常連さんは皆そのお得度を良くわかっているので、当然長く待たないとそのお得にありつけない。9時から福袋販売、というので、1時間前に防寒服を着込んで行ってみると....、オォ静かな商店街に黒やベージュのカメラマン風の地味ジャケットを着込んだ長蛇の福袋待ちの列が。
先着300名様のみに販売される福袋に並ぶ長蛇の列。長い列の最後尾をやっとみつけて並ぶが、整理係の店員は、「うーん、このあたりだと、もしかすると整理券もらえないかもしれないですねぇ。」と、つれない説明。1時間前からこれだけ並ぶというのは、この福袋のメリットの高さを皆知っているから。1万円の福袋、最低でもカメラメーカーのロゴ入りグッズが複数入っていて、さらには2ヶ月間有効なお買い物券が必ず入っている。そのお買い物券は最低金額でも1万円。さらに、20人に一人は3万円、100人に一人は10万円(!)のお買い物券があたるという、宝くじよりずっと倍率の高いお年玉プレゼントがついているのである。8時10分くらいから、整理券の配布が始まった。先ほどの店員の話もあり、どうなることかと待っていると、無事整理券をゲット。番号は270番。あと5分遅れたら福袋を買いそびれるところだった。
8時50分頃、列が動き始め、予定より10分早く福袋の売り出しが始まった。全く同じ大きさの小さな紙袋を、皆、慣れた様にそれほど吟味することも無くどんどん買って行く。これでお店も新年開店直後、約20分で売り上げ300万円を確保。一部デジカメや双眼鏡といった商品の大当たりもあるが、多くはカメラメーカー協賛と思われるグッズが福袋の中身で、買い物券の方は顧客は必ず2ヶ月以内に消費してくれる訳で、お店には宣伝効果/集客効果こそあれ損は無いはず。やはり顧客本位で、商売上手なカメラ屋である。さて、家でその中身をあけて見ると、ご覧の通り。残念ながら普通の買い物券1万円のセットだったが、今年の運をまだ使い切らなかった、という事で、まあ良しとしましょう。趣味人の街中野の正月は、こうして明けて行きます。