米国の IT 新技術商品デモンストレーションの華やかな晴れの舞台、DEMO 2004。Seki さん既報の通り、Six Apart 社は世界中から集まった第一線の投資家や提携候補企業に対し TypePad のデモンストレーションを行うという、大変名誉ある機会に恵まれた。最近は Six Apart の動きを詳細に追っていなかったが、Fast Company's Fast 50 にも選ばれる等、着実に米国で認知度を高めている様で嬉しい。
その DEMO 2004 で、もうひとつ、ずっと気になっていた Product がついに全貌を現した。MS の創始者の一人、Paul Allen が投資した Vulcan 社が Windows XP を備えたPalm-size PC のデモを行ったのである。その名も FlipStart。超小型でフルスペックな手のひらに載る PC、その重量はわずか450グラム。スペックの詳細はこちらを御覧頂きたいが、腰痛の当方に朗報であるだけでなく、久し振りに背筋が寒くなる程のフルスペック。当方は既に "Reserve One Now" ボタンを、(本当に買うかどうかは後で考えるとして)ぽちっと....。
昨年、数ヶ月愛用していた Sony Vaio U3 を、Sony が次に出すであろう U サイズ PC の新製品を購入すべく手放したところ、U サイズの新製品の製造が止まってしまい、超小型 Windows PC はしばらく使えずに居た。その後は Windows CE ベースの Sigmarion III を毎日携帯する PC 代わりとして使っていて、これはこれで良く出来た製品だったが、U3 程何でもこなせる訳では無く、漠然としたフルスペック PC への思慕は残していた。
Broadband 環境でサクサクと Web を操る事に慣れた身には、Sigmarion III の Web Browser もなかなか CE 機にしては良く出来ているのだが、やはりスローな感じが否めず。でも、500グラム以下で毎日携帯出来るものはこれしか無いので、と使い続けて来ていた。FlipStart は、1GHz プロセッサ(詳細は公表されず。)を身につけ、でありながら Low Power Mode だと1日、Stand-by Mode だと2日バッテリが持つという夢の様な Window XP ベースのPalm PC である。
これだけだと、Vaio U3 より小さくて電池が持つマシン、でしかないが、FlipStart は PDA 的な機能も備えている。1.3 M ピクセルのデジカメを内蔵、そして注目すべきは、LID (Lowpower Interactive Display) と呼ばれる、上蓋手前に設定された、小さなタッチパネル。ここから、MS Outlook のほぼ全ての機能にダイレクトにアクセス出来、さらには MP3 の再生操作までこなしてしまう。上蓋の開閉無しに PIM 機能や E-mail、そして音楽再生が出来るのであれば、PDA Killer PC としての素質を備えている可能性は十分ある。日本の通勤電車の中などでも、周囲に気兼ねなく使える、初めての PC と言えるかもしれない。
FlipStart はこの他にも、802.11b/g 両対応の Wireless LAN、HDTV画像対応の内蔵液晶 display、外部 Keyboard / display 対応(これは、自宅やオフィスに到着してからの利便性を高める重要な機能。)と、現在求められる最新 Note PC のほぼ全ての機能を備えている。それで手のひらサイズ、450グラム。
発売は今年後半、価格もまだ明らかにされていないが、日本語版の早期発売が待ち遠しい1台だ。腰の弱い方、是非 Reserve One Now ボタンを。と、ここまで絶賛して来たが、最大の欠点は、MS Windows ベースであること。致命的なセキュリティ問題が生じた時のアップデート努力は、欠かせません。原田 Apple Japan 社長も去った今、Apple御本社 はこのサイズの Note PC 出してくれないだろうからな〜。iPalm とか、企画してくれないものでしょうか。本当は、このサイズの Mac が欲しい(泣)。