昨年夏、先代機 FZ3 を手にした時、Lumix FZ"n" シリーズの熟成ここに極まれり、と感じたものだが、当方の FZ3 評価エントリーでは、それでもいくつかの追加要望に触れていた。Black Color の筐体と、5M CCD 搭載機であればより良いだろうな、と。わずか半年で Panasonic はその両方の希望に応え、新鋭機 Lumix FZ5 をリリースした。更に FZ3 からの機能アップも行っている。AF 合焦速度向上と、背面液晶のサイズアップ。合焦速度は 1/3 となり、液晶は 1.5 インチから 1.8 インチへと、若干大きいサイズになった。FZ3 から FZ5 への変化は、熟成から完成形へ、の変化である。Lumix の小型 12x ズーム・デジタル・カメラは、FZ5 でこの種のカメラ完成域に入ったのではないか。ちなみに、FZ5 での作例は、こちらを御参照。
スライドショーで御覧になりたい場合は、こちらで。
FZ シリーズは Menu 操作、ボタン類も統一された覚えやすいインターフェースで、数台使って来た当方としては、もはや FZ5 を利用する上ではマニュアルを読む必要も殆ど無い。いつもの相棒を気軽に散歩に連れ出す感覚で、新宿で撮影したのが作例写真である。勿論全て、三脚なども無く、新宿南口の夜景、そしてやや曇天の東口歩行者天国での作例を掲載した。
FZ シリーズを使っていると、もう 35mm 銀塩カメラ換算 400mm 以上の望遠レンズを利用している、という事すら忘れてしまっている。手持ち撮影でも、あまり「ぶれない」事を前提に撮影をしてしまっているのだ。FZ シリーズ使い始めの頃は、ぶれないという事実だけで感動したものだが、手振れ補正が完成域に入った FZ5 では、ぶれない前提下でいかに良い作画が出来るか、という事に集中出来る。
ビーナスエンジンは、かなり暗い撮影状況でも、ノイズをかなり押さえてくれる。周囲が完全に黒く沈み込んだ写真ではさすがにノイズが目立つが、明るいネオンがある状況では、夜景ながら良い雰囲気で仕上げてくれている。
レリーズタイムラグがかなり少なくなっているので、シャッターチャンスにも強い。一眼デジタルのレベルとはいかないまでも、重要なシャッター・チャンスをおさえられるコンパクトカメラであることは、大道芸のパフォーマーの激しい動きを捉えながら実感出来た。
コンパクトサイズに 5M CCD を入れた事で、FZシリーズの得意技、全域 f2.8 を実現することは出来なかったが、それでも広角域 f2.8 - 望遠域 f3.3 は明るいレンズだと言えるだろう。このレンズの明るさも、手振れ減少に大きく貢献しているはずだ。
さて、ここまで完成してしまった FZ"n" シリーズだが、今後更なる進化はあるのだろうか。あるとすれば、バリアングル方式のより大きい背面液晶の搭載、補正フィルターの内蔵、手動ズームの採用、より高速なシャッター速度の導入、そして 7M CCD の搭載、というところだろうか。次機種に当たるFZ7 シリーズ(と勝手に命名)はまた半年後位に登場するに違い無いが、FZ5 で一応の完成形を見た様に思うので、次モデルでは思い切ったデザイン変更、機能変更の冒険をしてみるのも面白いはずですね。Panasonic 技術陣の更なる挑戦にも、期待大です。
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