EPIO (八ヶ岳南麓天文台 地震前兆観測センター)の串田氏が、現在 Web 上で公開されている EPIO ホームぺージの閉鎖を検討中とのこと。今月末〜来月初めが言及された、No. 1375 の発表内容(こちらでの発表内容は、串田氏の地震前兆観測実験がまだ研究途上にある、という事を理解した上で、各自、自己責任にてお読み下さい。)が加工され、携帯メール等で伝えられた事が原因、とのこと。まだ完全に閉鎖を決定された訳では無い様だが、日々の防災を考える上でのヒントが多い串田氏の研究は今後とも、一部でも良いので Web で公開を続けて欲しいのだが。
(追記)その後、6月末での HP 閉鎖を決定されたとのこと。残念ではありますが、串田氏もかなりお疲れの様子で、今後は一般の反応を気にせず研究に没頭して頂き度いと思います。
今回の No. 1375 の発表内容も、串田氏の事、相当悩んだ上で公開に踏み切られたのだろう。10年間と限られた研究時間の中、過去の事例も少なく、可能性として否定出来ないものの、確証は無いということを、串田氏自身もその後言及している。EPIO の Web を閲覧する読者側でも、こうした前提の理解が大切で、あくまで今後の防災を考える上でのアドバイスのひとつとして真摯に受け止め、実際に災害が起こった場合でも具体的な対応が出来る様に日々の備えを行う、その姿勢を保ち続ける事が肝要なのだろう。まだ起こらぬ災害を、必要以上に心配しすぎる事は無い。例えば Web 上では、電波観測方法が異なる行徳高校自然科学部の日々の観測データ等、別視点からのデータを参照する事も可能で、複合的な推論を行う事も出来る。行徳高校自然科学部のブログ、ちきうの気持ちの中で、今回の EPIO 発表に関して独自に冷静な見解が述べられている事も、興味深い。
串田氏の研究手法が地震研究の中ではある種閉鎖的で、なかなかその中身が一般公開されない点も、周囲の研究者の方々から多くの支援・理解が得られていない理 由なのかもしれない。串田氏の側からも是非、これまでの Closed な研究の殻を破って、外部連携可能な研究者の方々と更にオープンな交流を続けて頂きながら、一部でも良いので研究成果の Web による公開を継続して頂ければ、と思う。(勝手なお願いではあるが。)
一方、串田氏の悩みの深刻さも理解出来る。EPIO が発信する情報が加工されて一部のみが伝わったり、メディアがややセンセーショナルに採り上げるのでは、串田氏が何故、本来 Closed な有料 Fax Network を利用して発信されている情報の一部を、あえて Web 公開しているのか、その意図が十分伝わらなくなってしまう危険性があるからだ。読み手の我々の側でも、こうした点に配慮しながら、Web で発信される内容の行間ににじみ出る、串田氏の情熱と研究意図を、深く・正しく読み解かねばならないのだろう。