1976年〜1978年、少年サンデーで連載。当方が小学6年生〜中学2年生の時の人気漫画。当時から劇画ゴルゴ13で有名だったさいとうたかを氏が、少年漫画誌に連載した事でも話題を呼んだ、「サバイバル」。巨大地震や大津波により日本が海中深く沈んでしまった世界を一人生き抜く少年の物語。大人になって再度読み返してみると、この作品の行間には現実世界に実際に起こりつつある各種天変地異や自然破壊、大災害に対する、さいとうたかを氏の深い洞察力があった事が読み取れる。立ち読みは、リイド社の立ち読みページにて。Vol 1、Vol 4 、Vol 7、Vol 10 の中身をそれぞれちょっと見る事が出来て、なかなか便利。
巨大地震による世界の崩壊という非常にセンセーショナルな舞台装置を使いながらも、その中に描かれている個々の事件・事象は、怖い程の現実味を帯びている部分がある。巨大な街を一瞬で破壊する大地震と大津波、突然襲うインフルエンザに似た謎の疫病、地球温暖化による大干ばつ.....これらは近年実際に起こった世界的な大災害を、30年前に予測してしまった様ですらある。厳しい環境の中、原始人の様なたくましさと現代人の知恵を駆使して生き残ろうとするサトル少年には、約30年前の連載であった事をまったく意識させない様な、新しい発見を覚える。普段からの、予期せぬ災害や大地震への心得本として、そして小学校高学年の息子に読ませる、強い男の子である為の指南書のひとつとして、なかなかに役立つコミックと言えるかもしれない。サバイバルに当時の連載の懐かしさを覚える方にも、初めて手にする方にも、オススメします。
かくいう当方も、24 Season IV の全巻視聴終了後は、この漫画にすっかりハマってしまいました。最近はすっかり御無沙汰していたコミックですが、ストーリーや作画がしっかりしている本書は、時代を超えて、読み応えがありますね。