ビッグ・スクーターの FORZA が納車されてから1週間。熱海・箱根・御殿場方面にふらりと、総行程約270 km のショート・ツーリングに出掛けたので、旅先での FORZA の使い勝手をほぼ理解出来た。その感想を以下にまとめてみたい。
高速道路走行はこれで二度目だが、100km/h クルージングでの向かい風の強さにも段々慣れて来た。100km/hで、オートシフト (A)・モードでのエンジン回転数は約 6000 RPM。同じ速度で D モードだと 6500 RPM なので、A モードの方が7速のハイギアを選んでくれる様だ。こうなると D/S モードを使う機会は殆ど無く、A モード固定で使い続けたくなる。スイッチ・オン時に自動選択されるのは D モードだが、A モードから始まる様に改善して欲しいものだ。
高 速道路でネックになるのは、入口での券の受け取りと出口での料金支払いの手間。バイク用の ETC の実験も進んではいるが、なかなかそこ迄は手が出ない。バイクの場合は、手袋を外して、財布を取り出して、と支払い時の手順が多い。そんな時に有り難いの は FORZA のフロント・コンソール・ボックス。500ml のペットボトル数本入る程の大きさで、丁度コインが収まる場所もある。ツーリング時はここにお札やコインを入れておけば、料金所での支払いもスムーズ。高 速券や地図を入れておく場所にもなる。バイクを離れた時は無線キーと連動してロックされる点も使い勝手が良い。
今回の旅路では、熱海の先 から伊豆スカイラインに上がる所で、「山伏峠」という四輪車がすれ違うのも困難な程道幅が狭く、急勾配の細道を通った。こういう道ではさすがにオートシフ ト(A)・モードだけでは心細いのでマニュアル (M)・モードを試す。速度を出せるところでも無いので、2速〜4速あたりのところを頻繁に使いつつ山道を登る。シフト・チェンジのショックは全く無いの で、バイクの挙動への影響も無い。上りの道ではマニュアル・シフトはかなり便利で、250cc の非力さはありながらもトルクを感じながらコーナーをクリアしつつ進む事が可能だった。しかし、下りでは、コーナー手前で4速から2速に2段のシフト・ダ ウンを行おうとすると、左手のシフト・スイッチを2回押したはずなのに3速までしか下がっていないことが数度。M モードでは、エンジン回転が上がりすぎると判断された場合にはシフトダウンが実行されないセーフティ機構があるらしいが、当方は十分ブレーキングもしてい るので回転が上がりすぎる事は無いはずなのだが、2段までは下がらず。こういう部分での細かい使い勝手の悪さはまだある様だ。(まあ、細かいシフト変更を するなら、クラッチ付きのバイクを買いなさい、という事でしょう。)その後何度かオートシフト・モードも峠道で試したが、中・低速ワインディング・ロード ではマニュアル・モードを使った方が楽しく、かつ安全だろうというのが当方の今回の結論。(ただし、バイク初心者の方にはオートシフト・モードの方がコー ナーのライン取りやブレーキングに集中出来るので、良いのかもしれませんが。)
サスペンションは道路上の相当大きな凹みでも無い限りは ショックを吸収、快適なクルージングを保証してくれるものだったし、シートの固さも丁度良く、長い距離でもお尻が痛くなる事は無かった。足を置くステップ はもうちょっと前にあると足を伸ばせるのだが、リラックスしすぎてもいけないのでこれは仕方無し、か。
荷物が多くなりが ちなツーリングで、シート下の大きなラゲージ・ボックスは今回、本当に有り難かった。レイン・ジャケット上下、一泊の荷物入りの鞄、そしてナップザックま で収まったので、行きは全く手ぶら。帰りは御殿場のアウトレットで靴1足、ジャケット2枚を買ったのだが、ナップザックを背負えば、後は全てシート下に収 まってしまった。二輪車でここまでの収納が出来れば、ツーリング先で土産等買い物をしても大丈夫。
以上思いつくままに書いてしまったが、 要は15年ぶりの1泊ソロ・ツーリングを快適に楽しむ上で、FORZA は最高の Partner だった、という事です。いつも4輪で何気無く走っているルートでも、海岸の潮の香り、山の緑の空気をダイレクトに感じさせてくれるバイクという乗り物は、 全く違う世界を見せてくれますね。40過ぎてもバイク乗りに戻って本当に良かった、と感じたショート・ツーリング、でした。