冷え込む週末。しかし、暖冬のおかげで自宅近くの桜が一部咲き始めていたのを見かけた。新しい桜には、新しいデジカメを。ということで春の新機種を新宿の量販店で店頭チェック。今回のテーマは、常時ポケットに入れておける小型軽量。来店前に購入候補として考えていたのは2機種。アナログ IXY デザインの復刻、スクウェア・ボディの Canon IXY Digital 10か、10気圧防水のタフネス・デジカメ Olympus μ 770SW。どちらかにしようと店頭でじっくり両機種を動作チェックしていたところ、Nikon の新機種、Coolpix S500 が目に入った。手に取ってみて、初期の IXY Digital の様なステレス製で剛性が高いボディ質感も気に入ったが、魅了されたのは背面右下に設定された回転式ダイヤルの、ロータリーマルチセレクター。小型ながら多機能な本機の使い勝手を良くする、優れたユーザー・インターフェース(UI)。ライバル機種も素晴らしい出来だったが、この UI と、この大きさでは S500 のみ光学手振れ補正機能が内蔵されていたことで本機に決定。早速撮影したサンプル写真は、こちらの flickr photo album に。
ロータリー・マルチセレクターは、以前購入した Canon PowerShot G7 の背面のコントローラー・ホイール同様、ジョグ・シャトル的使い勝手を発揮するが、Nikon / Canon でまた微妙に異なる味付けが施されている。メニュー項目が多い時にクリクリと回して中央ボタンで決定する素早い操作のアシスト、静止画像再生時に回しなが ら画像を探せる機能等は同じだが、Canon PowerShot G7 ではこのホイールを微妙なピント調整にも利用出来る様にしていた。Nikon Coolpix S500 で面白いのは、このロータリー・ボタンで、動画再生時に早送り、巻き戻しが出来る点。ビデオ編集マシンにはジョグシャトルボタンがあって、こうした動画の 操作が出来る事が多いが、ミニサイズ・カメラで同様の操作が出来るのはなかなか面白い工夫だ。無機質なデジカメが、用事が無くてもくるくると回してしまう このロータリー・ボタンのおかげで、アナログな、愛着のわくツールに様変わりしてしまうのである。携帯電話等でも最近は採用が少なくなっている回転ボタ ン、人間が直感的に操作するには具合が良いので、是非復活させて頂き度いものだ。
ボタンばかりを強調したが、S500 の機能はこれ以外にも、フェースクリアと呼ぶ顔にオートフォーカスが出来る機能、小型カメラで一番威力を発揮する VR (光学手振れ防止)機能、動画・静止画両モードで可能なインターバル撮影機能、ISO 2000 まで対応の高感度撮影機能、クレイアニメを撮影可能なストップ・モーション機能等、かなり豊富だ。
これに高速起動 0.6 秒(店頭でスイッチを入れるとわかるが、本当に速い。)、レリーズタイムラグ殆ど無し、というスピーディな操作性。常時携帯するスナップ・マシンとしての素質も十分。
さてそろそろ、桜の撮影に出掛けるとしますか。