最近 Joi は、出張先でも東京での普通の Meeting の席でも、Leica M8 を常時携行、白黒写真のポートレイトを撮り貯めている。相手の表情が最も良く出ている瞬間をうまく捉えているなあ、とシャッター・タイミングの良さに感心するが、もう一点注目されるのは、明るい開放絞りで被写界深度を浅くし、背景を美しくボケさせるレンズ。当方が所有するレンズは最も明るくて f2.8 程度だが、美しいボケ味を楽しむには f1.x のレンズが必要。しかも、ただ明るいだけではない、匠の技で完成したレンズを物色。最近 Olympus E-410 に出会ったお陰で、連鎖的にフォーサーズ対応の Panasonic / Leica D Summilux (ズミルックス) 25mm f1.4 というレンズを知った。価格.com のクチコミ掲示板での評価も上々。高価なレンズ故迷ったが、手持ちの中古レンズ4本+カメラと引き換えに Cash を使う事無く入手完了。作例はこちらの flickr アルバムでどうぞ。
最初はデジタル一眼レフ Pentax K10D をベースに明るいレンズ探しをしていたので、そうなると行き着くのは Cosina 製 Carl Zeiss Planar T* 50mm f1.4 レンズ。晴天下で美しい青を描写する Carl Zeiss T*レンズの色味は気に入っていたので、M42 スクリューマウントに対応するマウントアダプターも購入し、数ヶ月かけて検討していたが、実質中望遠になる焦点距離がネックになり、購入に至らず。スナッ プ写真主体の当方としては、常用レンズとしては広角〜標準(50mm)の 35mm カメラ換算焦点距離が欲しい。
Olympus E-410 で久しぶりにフォーサーズのプラットフォームに戻って対応レンズを見始めて、Panasonic が L1 用レンズとして開発した ライカ・ズミルックス 25mmが最近発売となった事を知った。ネットで作例写真を見ると、どうやら追い求めていた明るさと、美しいボケ味を持ったレンズの様だ。レンズだけで 510g という重量はかなりのものだが、E-410 という軽量 Body を組み合わせれば、総重量 900g 程度。K10D に Planar を組み合わせると 1kg を越えるので、まだこちらの方が軽い。
実際に E-410 に装着すると、かなりフロント・ヘビーになり、前寄りの重量配分。Panasonic Lumix L1 に装着したときには絞りリングのマニュアル操作でカメラ本体の絞りを変えられる様だが、E-410 ではレンズ側は Auto に固定し、カメラ本体のコントロール・ダイヤルでの絞り操作となる。以上の制約はあるが、撮影し始めるとじわっとわかるその実力。
ライブ ビュー機能を持つ E-410 と Summilux の相性の良さが良くわかるのは、E-410 のフォーカスモードをマニュアルにして、拡大表示モードで背面液晶を利用したマニュアルのピント合わせを行った時。ほんの数ミリ、数センチ単位で合焦ポイ ントが変わる f1.4 開放絞りでの近接撮影時には、このライブ液晶表示が重宝する。
flickr アルバムの作例を見て頂くと、前後ほんの数センチの範囲にしかピントが合っていない様子、それ故の背景の美しいボケ味を御理解頂けるはず。プロカメラマン が、これまで数十万円のレンズ+数十万円のカメラの組み合わせで実現していた映像世界を、カメラ+レンズ約18万円(実際の購入価格ベース)でアマチュア・カメラマンにも見せる道を開い たという点で、Summilux + E-410 は素晴らしい組み合わせと言える。メーカーを越えてカメラ本体とレンズがコラボレーションする、フォーサーズ・プラットフォームならではの楽しみ、 なのかもしれません。