これまでに多くのデジタル一眼レフ+パンケーキレンズの組み合わせを試して来た。ここ数年で試して来た4種のカメラ+レンズの組み合わせは、前回のシリーズ・エントリー「パンケーキ・レンズその4 - XR Rikenon 45mm f2.8 + Olympus E-410」に詳しいので、御参照頂きたい。パンケーキレンズは、Carl Zeiss 社の Tessar 型がオリジナルだが、とうとうその本家に近いレンズを中古カメラ専門店で発見。Contax 製の Carl Zeiss T* Tessar 2.8/45。f2.8 mm の明るさと 45 mm の焦点距離は、これまで試して来たパンケーキ・レンズにもいくつかあったが、異なるのは T* (T スター ) の称号。T* コーティングが施された正統派レンズをやっと発見した。以前も同じ型の良品を見つけたのだが、翌日店に行くと既に販売済み。このレンズは、在庫を見た瞬間に手に入れるべし、と、それからは度々 Contax の中古レンズ棚をウォッチしていて、やっと今日巡り会った。近代インターナショナル社製のフォーサーズ・マウント・アダプターも同時購入し、試写。レンズ性能も良いが、L10 のライブビュー機能が、クラシック・レンズで使うには大変具合が良い事が判明、全体の厚みも減って得をした気分に。作例は、こちらの flickr アルバム御参照。(スライドショーは、こちらからどうぞ。)
Lumix L10 では、絞り優先 AE (A モード)、マニュアル露出(M モード)で撮影する事になるが、クラシックレンズ利用には事前の設定が必要。MENU/SET ボタンからカスタムメニューに入り、一番下にある「レンズ無しレリーズ」をデフォルトの OFF から ON にしなければならない。本項目を ON 設定しないと、セーフティモードが働き(つまり、カメラはレンズが装着されていないものと勘違いしてしまう)、レンズを装着していてもシャッターを切る事が出 来ない。実は当方も、本設定をメニュー上で発見する迄シャッターが下りず、往生した。
ここを発見してしまえば、あとは問題無く 利用出来る。f 値情報はレンズからカメラには伝わらないので、ダイレクトにレンズ側で設定する事になる。(この時、画面表示はずっと f 値 0.0 になる。)絞り優先 AE モードなら、絞りリングを動かすと、それに対応する最適なシャッター速度をカメラが選択する。マニュアル露出モードなら、絞り、シャッターそれぞれを操作 して、画面の露出 +/- が中間の「0」になる様に設定すれば良い。
クラシックレンズには Auto Focus も無いので、焦点距離も手動設定となるが、L10 の Live View の MF アシスト機能が非常に便利に使える。Live View ボタンを押し、液晶画面上で被写体をレンズで捉えてから、4方向キーの左ボタンを押す。すると、画面に、黄色く四角いフォーカスマークが出て来るので、そ れを焦点を合わせたい場所に4方向キーで移動。ポイントを決めてから真ん中の MENU / SET ボタンを押すと、ピントを合わせたい部分が8倍に拡大された画像が液晶画面に表示される。あとはレンズのフォーカスリングを画像がシャープに\なる様に調 整すれば良い。オートフォーカスを前提に作られた最新カメラではアナログレンズでのピント合わせがやりにくい事も多かったが、Lumix L10 はレンズ沼にはまっているユーザーにも優しい設計のカメラである事が良くわかった。
Panasonic Lumix L10 では高品質な Leica D レンズを楽しめる事がメリットのひとつだが、ライバル Sony 陣営が推す Carl Zeiss T* レンズでも、アダプター利用で楽しめるというのは嬉しいプラス。軽量デジカメといえば、Pentax K100D Super、Olympus E−410/510、Nikon D40シリーズ、Canon EOS Kiss シリーズがすぐに思い浮かぶが、L10 もまた、500g を切る軽量一眼レフ。ライカ・レンズはあまり軽くないが、今回の様にマウント・アダプターを介して他社製パンケーキ・レンズを装着すれば、機動性も大幅向 上。(ちなみに、今 Lumix L10 を買ってユーザー登録をすると、先着2000名に ARTISAN & ARTIST 社製の専用ケースがもらえます。当方も早速応募。詳細はこちらに。)
そしてまたクラシック・レンズ沼に、ずぶずぶと浸かって行くのです.....