2007年は、B 級グルメ中心で体重が減らなかったが、2008年に向けてはヘルシー志向で行きたい、という事で、正月休みに食べたヘルシーだが旨いもの、特集。まずは、箱根・強羅の「田むら 銀かつ亭」の豆腐かつ煮御膳。箱根旅行の途中で食べた、豆腐で出来たカツなのだが、これがなかなかいける。
箱根登山鉄道・強羅駅から徒歩1分、駅のすぐ裏手にある同店の名物がこの、「豆腐かつ煮」。外見からは普通のトンカツのカツ煮に見えるのだが、その歯ごた えに最初は驚く。サクッとした衣をかじると、中はふわっと優しい食感。「サクふわ」なこの新食感は、洋食と日本料理の技のマッシュアップ。豆腐の中には、薄い 層の挽肉が入っているので、淡白でも無い。定食でなく御膳で注文するのがおすすめ。サラダ、デザート、食後の珈琲までついて1800円。箱根の山を越える 途上のほっとするランチ時間を満喫出来る事間違い無し。
次に御紹介するのは、強羅からケーブルカー、ロープウェイと乗り繫いでたどり着 く、大涌谷の名産品「黒たまご」。大涌谷駅から外へ出ると、そこには強烈な温泉硫黄臭がたちこめている。その臭いの源を辿って山道を昇ると、生産地の玉子 茶屋に到着。大涌谷の酸性熱泥でゆでた、殻が真っ黒に変色した温泉味満点の卵を頂くと、ひとつで寿命が7年延びるとか。究極のヘルシー・フードと言えよ う(笑)。それでは500円で買った6個セットを全て一人で食べると40年以上寿命が延びるのだろうか、といった無粋な想像はせずに、塩をまぶして素直に頂く。地球深 くから湧き出てくるエネルギーがゆで卵に宿った様な、不思議な旨さ。
最後は、味噌の故郷長野は軽井沢を本店とする「Restaurant 酢重正之」の新丸ビル店、「酢 重ダイニング」。Bay Area から一時帰国した友人との新年会で訪れたのだが、何度も本店の前は通り過ぎながら、一度も行った事が無かった同店の味を東京で初めて堪能する事になった。新年 ランチ・コース(3000円)は、信州の旬の野菜をたっぷり使った、素材感あふれるもの。前菜の黒ごまあえのインゲンが美味しい。一人娘、という珍しい豆も素朴だが味わいがあ る。最後に出て来る味噌汁は、長野の味噌を使っているのだろう、深みのあるテイスト。皇室一般参賀や大丸の初売りと重なったせいか、非常に混雑した新丸ビ ルレストランフロアではあったが、店内に入ると落ち着いた雰囲気で、広いガラス窓からは皇居や丸の内のオフィスビルが一望出来、心地よい空間でもあった。
ということで、今年はラーメンやトンカツといった B 級グルメ・エントリーは、やや減るかもしれません....。ヘルシーな旨さを追求する2008年ライト・グルメ道、探求開始の新年。