リコー R8、本日発売。昨日〜本日は意欲的な新デジカメが多数(レンズ周りのズームリングで操作する Olympus 570UZ、1420万画素+本格ライブビューの Sony α350、コンデジの新スタンダード Canon IXY Digital 20等)新発売となった為、閉店間際の新宿量販店で店頭チェックするだけ、のつもりで短時間寄っただけ、のはずだった。しかし、リコー R8 は試用だけで済ませる訳にはいかない、魅力的なオーラを放っていた。デジタル一眼レフを製造していない Ricoh ならではの、開発エンジニアのハイエンド・コンパクト・デジカメに賭ける気迫が、店頭で試用している間に十分伝わったのである。購入し、まずは夜景とクローズアップ系の試写を実施。結果はこちらの flickr アルバムにて。
筐体は昨今のコンデジにしてはやや大きめ。比べてみると、実は兄機と呼びたい GR DIGITAL II (GD2) よりほんのわずかに横幅が小さく、厚みがちょっとだけ薄い程度。ほぼ同じ大きさ、と言っても良いかもしれない。グリップ幅が狭い為に商品写真を見るだけで は GD2 よりかなり小型のイメージを持っていたのだが、実物は想像よりは少し大き目かもしれない。
感心したのは筐体の質感の高さ。短時間触っただけで、ひんやりとする金属感と、内部メカの集積度の高さが指先から感じられる様な素晴らしい仕上がりなのである。
操 作してみて最も感心したポイントは、背面のスティック型 ADJ/OK ボタン。GD2 の背面上部にある ADJ (アジャスト)ボタンとその下の4方向キーが一体化した様な機能を持つ金属ボタンなのだが、クリック感が明確な操舵フィール、親指の腹で触れるボタン・サイズが絶妙なのである。上位機種の GD2 を凌ぐ様な仕上がり具合。GD2 オーナーにも、是非試してもらいたい部分である。
R8 試写の結果を見ると、光学手ぶれ補正機能はあるのだが、レンズが GD2 よりやや暗い為か、手ぶれの発生は散見された。ライトの写りも、高精度な GD2 の単焦点 GR Lens と比べるとややにじみがある様だ。クローズアップ撮影でも、シャープさでは GD2 には追いつかない。28 - 200 mmの 7.1 倍ズーム・レンズなので、さすがに単焦点レンズと直接比較してはいけないのだろう。
R8 の使い方としては、旅行に出掛ける際に、GD2 と併せて持ち歩くサブ・カメラ、という位置付けになりそうだ。28mm 広角画角から、200mm の望遠領域まで広くカバー出来る R8 は、どんなシーンでも柔軟に切り取るオールマイティ・コンデジ。広角単焦点の GD2 だけでは足りない機能を補完出来る。しかし、ここぞという風景に出会った時には、GD2 の高品質レンズ(作例はこちらや、こちらの flickr アルバムにて。GD2 のレビューエントリーはこちらでどうぞ。)を活用したい。そこで両機とも持ち歩く事になる。週末は昼間の屋外撮影も行ってみよう。(続く)