デジカメ本体に GPS 機能が標準装備される日はいつか来るのだろうけれど、現在は携帯電話でないと GPS 機能はオプション扱い。フォトウォークで知らない土地を訪れる時等にはしかし、GPS による位置情報とデジカメ写真のデータをマッチングしてみたい。そういう潜在ニーズを抱えながら、いくつか GPS ロガー(GPS 位置情報記録に特化したガジェット。最近はジオタグ、という呼び方も。)製品を見て来たのだが、デジカメ撮影に特化した製品、PhotoTrackr Light DPL700 が米 LA を本社とする GiSTEQ 社から発売されている事を代々木の GPS ストアで知る。
日本国内ではなかなか実機に触れるチャンスが無い携帯 GPS 機器のデモ機を豊富に揃え、実践知識豊富なインストラクターが親切にガイドしてくれる GPS ストアは、最近お気に入りの店。先日も nuvi 250 用のバイク/自転車装着用マウントが出たということでそれを買いに行ったのだが、もうすぐ日本語化もされるという Garmin 最新3D表示機種の Colorado をテスト利用等しているうちに、同店で PhotoTrackr Light DPL700 も発見してしまった次第。キーホルダーの程の小型サイズで、Garmin GPSMAP 60CSx を持って出るほどでも無い時には役立つ携帯仕様。
ゴールデンウィーク後半は天候が安定せずあまり外出しなかったのだが、秋葉原方面に出掛ける用事があったので、早速利用してみる。外出前に DPL700 とデジカメの時間調整を行い、あとは PhotoTrackr を起動して鞄に付属のカラビナで装着するだけ。起動中はオレンジの LED が点滅し、1分ほどで GPS 衛星を補足すると緑の点滅に変化する。これで準備 OK。あとは Windows PC とリンクし設定したインターバル(初期設定は10秒毎)で GPS ログが自動的に行なわれる。ログが実行されるタイミングにはオレンジ LED が1回光るので、実際のログ地点を視認出来る。
単三電池1本で12〜14時間駆動、25万ポイントまで記録出来るというので、小型ながら十分な実力を備えている。位置情報から同じ場所に留まっていると DPL700 が判断すると、ログを一時的に止める機能等もあり、なかなか賢い設計だ。
あとは自由に撮影を行い、帰宅後は DPL700を USB で PC と接続し、 GPS データを付属ソフトでダウンロード。その後、同じソフトにデジカメの写真データを読み込むと、読み込み終了後に GPS データとのマッチングを行うかどうかを訪ねて来る。Yes と答えるとマッチング開始。写真の EXIF データ/GPS ログデータのタイムスタンプを見て、マッチングが自動に行われる。
マッチング終了後は、専用ソフトは Google Maps の地図データとシンクロしているので、Google Maps の詳細データの上に行動軌跡が表示され、アニメーション機能で移動の様子を順を追って見る事が出来る。さらには、写真データも撮影場所に重ねて吹き出し上 に表示される。これはなかなか愉快。
一方、専用ソフトは flickr アップロード機能も備えていて、GPS データを加えたデジカメ写真データを flickr に直接このソフトからアップロード出来る。flickr にアップロード後は、この Yahoo! Maps 上に自動的に撮影写真がプロットされる。flickr の Yahoo! Maps 解像度が現状では今ひとつなのが残念だが、他の flickr ユーザーが撮影した同じ地域の写真と比較出来る。右上のモード設定で衛星写真にすると、もう少し見栄えする Map になるが、今後は詳細 Map が是非欲しいところ。
以上が全体の流れ。なかなか意欲的な小型 GPS ガジェットだが、最初のソフトウェアのインストールのステップが多く多少面倒だったり、Mac 対応のソフトが無い点は改善を望みたい。GPS の精度としても、小型ロガーの限界かもしれないが、時々実際のルートを大きく外れる事もあった。この分野の製品全般がまだまだ発展途上という事だろう。今 後の進化に期待したい。