コンパクト・デジタルカメラに GPS 機能が内蔵される日はいったいいつやって来るのだろうか、と思っていたら、Nikon から回答がもたらされた。一週間後には D90 にデジイチ初の HD ビデオ録画機能を搭載し発売予定の Nikon は、コンデジの世界でも、重要なブレークスルーを実現してくれた。COOLPIX P6000。GPS 機能を標準搭載する本機を、新宿量販店で正式発売の前日に運良く入手。早速撮影したテスト画像は、こちらの flickr アルバムにて。
購入したばかりで各種機能を十分試せていないのだが、グリップ部の造りの良さにはまず驚かされた。グリップ形状は大きい手にも馴染み、ギザギザ・ラバーの表面仕上げのおかげでしっかりホールド可能。素材デザイン優先で、落としそうになるツルツルピカピカ仕上げ軟派コンデジが増える中で、P6000 は精悍な「男のアウトドア・コンデジ」感をつや消しブラック外装から力強く訴えかけてくれる。右手親指が届く範囲にモードダイヤル、コマンドダイヤル、4方向ボタンのマルチセレクターが配置され、操作性も上々。特にモードダイヤルは、グリップ部と同様の細かいギザギザ刻みが側面に入っていて、回し易い構造。このあたりには、ニコンのカメラ職人芸が細部まで生きている。
グリップ部の厚みと比較し、本体部分は極力スリムに仕上げられて居り、このクラスの中型コンデジとしては携行し易いサイズと言える。惜しいのは AC アダプター。旅行時の荷物を減らす上では、小型で電池を差し込むだけの充電器があればそれで良いのだが、本機に付属するのは長いコードを伴う AC アダプター。いちいち電池を出し入れせずに本体にコードを直接接続し充電可能というのは普段利用には良いかもしれないが、旅行の事を考えるとコードが無いタイプの方が望ましい。GPS 内蔵で旅行用に購入するユーザーも多いと思われるので、ここにはもう一工夫欲しかった気がする。
実像式の光学 View Finder は、広角端で大きな樽型の歪みは生ずるものの、十分実用的。高価な外部ファインダーも別途オプション購入可能だが、このファインダーだけで用は足りてしまう。
GPS 機能は、モードダイヤルに "GPS" モードがあるので、こちらに合わせて調整する。GPS アンテナ位置は、左側面上部。Garmin の上級GPS 専用機の様に、捕捉されている衛星の数と電波強度をビジュアルにレーダースクリーン上に表示してくれる。日時設定も、GPS 衛星との更新で自動設定可能だ。ただ、衛星電波捕捉には場所によって時間がかかる。ビルによる死角が多い都内では、捕捉までの時間がかかるケースも多い点 はあらかじめ理解する必要がありそうだ。GPS の使い勝手は、もう少し利用しつつ確かめてみるとしよう。ということでまずは、初日レビュー終了。