長瀞へのツーリングへ出た後は、出張が入ってしまって火を入れていなかった LEAD 110 を、やっと本来の通勤に活用。250cc から 110cc にスケールダウンしたが、通勤での使い勝手はどの様なものか、確かめてみる。結論から言うと、Majesty 250cc と比較し直進安定性やサスペンション性能は多少落ちたものの、以前の通勤号だった Address V125cc よりも安定感とトルクが有り、通勤にはベストなスクーターであると再確認出来た次第。いや、素晴らしい。通勤で感動出来るなんて。
シート下のスペースの広さのおかげで、通勤用荷物を余裕で積載出来る。Address 125cc ではヘルメットひとつ入れるだけで一杯になってしまったので、別途リアトランクを装着していたが、小型バイクにトランクをつけると見た目やバランスが悪く なる。「仕事用バイク度数」が高まってしまい、休みに乗る雰囲気では無くなってしまうのだ。LEAD 110 の場合、シート下スペースが大変実用的なので、雨具やタンデム用ヘルメットさえ余分に積んで置く事が可能。かさばる外部トランク装着は必要無しと言える。 また、それほど内部容量は大きく無いが、鍵がかかるフロントトランクも装備、ここにも車体を拭くタオルや小物を入れて置く事が出来る。
通勤装備一式を詰め込んで、いざ出発。2週間ぶりの始動でも、FI のせいか全く問題無く一発起動。低ノイズでアイドリング音も小さく、早朝の出発でも近所迷惑にならない。アクセルをひねると、するするっと速度が上がり、 車の流れをリード。出だしでは、車重が軽いせいか、250cc スクーターの加速にも負けない実力がある。
ブレーキも強力で、制動距離も都会を走るには問題無い。オートマでありながら、低速時にもきちんとトルクを感じる事が出来るので、トップスピードから速度を下げて止まるまでの一連の動作がトルクフルで、不安が無い。減速時にエンジンブレーキが効いている様な気がするほど、低速トルクを強く実感出来る点が、低速重視設定の LEAD 110 エンジンの特徴と言えるかもしれない。
サスペンションについては前に乗っていた Yamaha Majesty があまりに素晴らしすぎたので、それと比べてはいけないが、普通のスクーターと比較するとこのクラスにしてはカチッと固めの設定で、それでいて段差のショックをきちんと抑える柔軟性も兼ね備えている。発進加速時にも姿勢がかわらずすーと車速が伸びるのは、このサスペンションの素性の良さも影響しているのだ ろう。
時間が気になる通勤時、メーターに時計が含まれない点は残念だが、距離計、速度計等全てアナログ仕様になっている中で、液晶表示を 排してシンプルに仕上げ、長持ちさせたいという設計者の意図も感じる事が出来る。クラスを越える高性能とグラマラス感、そしてシンプルデザインの融合。 LEAD 110 は、前後の排気量スクーターを十分乗りこなして、最後にたどり着くべき一台なのかもしれない。各部の機能の高さが、総合的な乗り味に影響し、感動すら呼ぶのである。
オプションとして買っておけば良かった、と後で思ったのはサイドスタンド。標準のセンタースタンドだけでも実用的ではあるが、ちょっと停車するにはサイドスタンドを追加した方が便利である。これは後で装着する事としよう。
今後はまた、バイク用 GPS 機器を装着する事になるが、ハンドル部がプラスチックカバーで覆われている本マシンの場合、ミラーのステー部分を利用するといった工夫が必要そうだ。
通勤マシンの競争が激しい 125ccクラス、比較的大柄な男性が通勤用/休日ちょい乗り両用で一台選ぶなら、文句無く推薦出来るスクーターです。