知人からのレンタル・レンズ試写シリーズが一段落したので、再び自前レンズを試してみる。まずは、中古美品で購入した、フォクトレンダーの復活クラシックレンズ、Nokton Classic 40mm f1.4。当方が所有している M マウントレンズの中では、現在最も明るいレンズである。中古ではあるが、前のオーナーが殆ど使っていなかったのでは、と思える様なピカピカ度合い。製造メーカーのコシナは、あえて現代的な非球面レンズを採用せず、球面レンズのみで昔のレンズの味を残したと言う。使ってみると、確かに非常にクセがある。開放付近での、夜間の点光源はソフトフォーカスの様な感じだ。f2.8 にすると今度は、クロススクリーン・フィルターの様な効果も生む。そして f5.6 に絞るとシャープな画像。最初は戸惑うが、クセがわかってしまうと寧ろこの玉の味付けを楽しむ様になる。何もせずに普通に写ってしまう現代のレンズより、クリエィテイブに使える不思議レンズなのである。flickr の作例アルバムはこちらにて。(スライドショーは、こちらからどうぞ。)
Nokt、とは、夜を意味するらしい。f1.4 と明るい為、夜の闇を厭わず撮影が可能、そういう意味が込められたレンズシリーズである。口径が大きなこのレンズを通して夜の世界を覗いてみると、絞りによって様々に変化する。そして G1 では、その変化を予め、背面液晶や電子 View Finder 内の画像である程度確認出来るので、このレンズを使いこなすには最も適したカメラと言えるのかもしれない。レンジファインダーカメラに勝る点はここにある。100% 視野で White バランスや露出補正だけでなく、レンズのクセを加味した映像が見える、というのは実に便利。
ノクトンの様に明るいレンズだと、ピント合わせもよりラクになる。フォーカスエイドを利用して画面の一部を拡大した際に、明るければ明るい程、合焦は確実になるからである。
ノクトンの様なネオ・クラシックレンズに出会えるというのも、パナソニック・ルミックス G1 による M マウントレンズグルメらしい楽しみである。一方で新宿の量販店界隈に、まだマイクロフォーサーズ - ライカ M マウント変換の為のマウントアダプター在庫は、十分には無い様だ。この楽しみ、出来るだけ多くのクラシック / デジタルカメラ愛好家に知って欲しいと思うのだが。その後出たというマイクロフォーサーズ - Canon FD レンズマウントアダプターにも、中々出会えない昨今。