パンケーキレンズ収集癖(「デジクマが愛したパンケーキレンズ、全記事アーカイブ」御参照)は、M マウント・レンズでも健在。コンパクトな Panasonic Lumix G1 には、出来るだけ薄く小さいレンズを、という事で現行レンズ最良の選択肢はこの、コシナ製フォクトレンダー・カラースコパー 35mm f2.5 PII。全長(厚み)23mm、重量 134g と非常にコンパクト。Lumix G1 の本体重量は 385g なので、レンズと合わせた総重量でも 500g ちょっとしか無い訳だ。これだけコンパクトになると、デジイチを携行する感覚が全く変わってしまう。腰痛が再発せぬ様に、通常はあまり携行し無いデジイチだったが、これならケータイ・一眼として常時携行可能になる。重さだけでなく、サイズも手のひらに載る程なので、大きめのコートやジャンパーのポケットなら、なんとすっぽりレンズ付きのカメラが収まるのである。デジイチの小型化革命、と言っても過言では無い組み合わせなのだ。M マウントレンズ群の中では実売3万円台で比較的手が届き易い価格帯に位置する本レンズだが、写りの方も合格点。作例は、flickr のフォトアルバムと、こちらのスライドショーで御確認の程。
Voightlander の 35mm は、この前にレビューした Nokton Classic 35mm f1.4 に続き2本目だが、本カラースコパーの開放 f 値は 2.5 なので、常時着用レンズとして比較的扱い易い。開放 f 値が 1.x だと、明るい昼間の撮影では数段絞り込んで撮影する事も多いが、本レンズでは絞り開放での昼間の撮影でも白飛びも最小限で何とかなるケースが多かった。Voightlander の 35mm VM レンズははこの2本以外にも f1.2 も有り、コシナ社の Web に比較作例があるのでこちら(VM レンズ 35mm、3本の選択肢)も参考になる。
廉価でも、細部までカチッと精密な造作となっているので、所有満足度も高いレンズである。マイクロフォーサーズでは換算 70mm になるので中望遠レンズとなるが、街角風景を切り取るには、G1と絶好のコンビネーションだ。Nokton が暗闇を創造的に切り取るクラシックなイブニングドレスだとすると、Color-Skopar は普段使いの着慣れたポロシャツ、そういう感覚で使うべきレンズなのかもしれない。当面、装着率 No.1 レンズとなりそうだ。