Leica レンズも装着可能になった Panasonic Lumix G1 の次は、Sony CyberShot DSC-G3。最近、家電メーカーが作る「G」なカメラが面白い。DSC-G3は、WiFi に加えて何とアクセス社製のフルブラウザを搭載。ついにコンデジでネット・サーフィンが可能という、凄い時代に突入してしまった。昨年購入した Eye-Fi 社製 WiFi SD カードでもデジカメのインターネット対応は可能なのだが、G3 はブラウザを入れた事でネット操作の自由度は更に高い。その実力を確かめてみる。
本体を手にとると、想像よりズシリと質量が有り、厚みも有る。スライド・レンズカバー方式を採用しているので、その機構を内蔵した為でもあるのだろう。スライドを閉じた状態では、側面のパワースイッチ、Wireless LAN ボタン、そして上部のシャッターと再生ボタンしかボタン類が見えないのだが、スライド・オープンすると右上にズームボタンが現れるギミックだ。
かつて CyberShot U シリーズという、超小型でスライド・レンズカバーを備えたデジカメがあったのだが、スライド開閉でスイッチオン・オフになる方式は UI 的に使い易く、好みである。ただ、カバー前面にグリップが無く、全体にツルツルで滑り易い材質となっている点は少し残念。光沢デザインを優先しすぎて安全性は損なわれている。また、レンズ位置が背面から見て左上隅なので、左手指のグリップ位置を気をつけないと、指でレンズが隠れてしまう失敗も最初は数度あった。慣れが必要だ。
スマイルシャッターは Sony なので勿論装備。背面液晶は HD サイズで大きく、画面上でフォーカスを合わせたい場所をタッチするとピントが合う直感的操作も便利。タッチは指でも良いし、ストラップにつけた簡易スタイラスでも可能。
そして注目のネット機能。右側面の WLAN ボタン一発でブラウザが立ち上がる簡便さだ。eyeVio, YouTube, Dailymotion, mixi, Picasa へのアクセスボタンがプリインストールされ、フォトアルバム、動画サービスどれかを選んで、IDとパスワードを入れるだけでもうアップロード画面に。これは簡単。ちなみに Picasa に上げてみた写真はこちらに。Eye-Fi と異なるのは、カメラ側で選択した写真のアップロードが可能な事。Picasa では一度に4−5枚をアップロードしても、5分以内に処理が終了した。
残念な点としては、愛用している flickr サービスがプリインストールされていないのだが、実は G3 の内蔵ブラウザはどんな Web サイトにでもアクセスできる(例えば Twitter でも OK)ので、こちらから flickr に接続すれば大丈夫。プリインストールサービスの手順より少し時間は多めにかかる印象だが、無事アップロード可能だった。
iPhone のサファリブラウザと比較すると多少の動作のもたつきはあるが、1000万画素コンデジで撮影した写真を、カメラ本体フォルダ内から選んで、公衆 Wireless LAN サービスや FON のアクセスポイント等からカメラ自身により接続・アップロード出来るというのは意外に便利。携帯端末からブラウザをメインに利用するなら勿論 iPhone や iPod Touch をおすすめするが、カメラのオマケ機能としては十分すぎるブラウザが備わっている。
ブラウザで通信しすぎると電池の減りも速く、カメラボディは多少の熱も帯びる。しかし熱くてたまらない、という程では無い。初心者が最初の一台として買うには機能有りすぎ、という気もするが、普通のデジカメでは物足りないユーザー向けには、ギミック的に面白いデジカメかもしれない。Carl Zeiss Vario-Tessar レンズの写り具合もなかなかのものであります。