Panasonic Lumix G1 にレイコール(宮本製作所)・ライカ M - マイクロフォーサーズ マウントアダプターで装着するレンズ・レビュー・シリーズも本エントリーにて10回を数える事に(これまでレビューした9本は、こちらのカテゴリーからどうぞ)。記念すべき10本目は、ドイツ・ローライ社が自社ブランドの Leica M マウントレンジファインダーカメラ、ローライ 35 RF とのセットで販売した Sonnar 40mm f2.8 HFT レンズ。本レンズのルーツは、1974年発売のローライ社のアナログ・コンパクトカメラ、Rollei 35S に装着されていた、カールツァイス社からのライセンス製造の、同名ゾナー・レンズ。「HFT(高精密蒸着)」コーティングとは、ローライ製中判カメラにも採用されている、高品質マルチコーティングの総称。新品発売時はレンズ単体でも9万5千円程した様だが、新宿 M カメラ店の赤札セールで、未開封新品を 1/4 以下の価格で発見しコレクションに加える事に。作例は、こちらの flickr アルバムを御参照。(スライドショーは、こちらからどうぞ。)
本レンズの特徴は Sonnar レンズとしては最小部類と思われるコンパクト・サイズ。先に購入した Voigtlander Color Skopar 35mm f2.5 PII レンズとほぼ同サイズで扱い易く、フォーカスリングには大きなフォーカスレバーが採用されている。絞りリングとフォーカスリングは近接しているが、大きなフォーカスレバーが絞りレバーの上にかぶさる様なデザインで、極力操作ミスを防ぐ設計となっている。
開放 f 値は 2.8 と明るいレンズなので、比較的暗い場所でのピント合わせも問題無くこなせる。同じ Sonnar の Carl Zeiss Sonnar 50mm f1.5 よりもピントが神経質では無く、街角風景の一部を切り取る気軽なスナップ撮影用に丁度良い、という印象だった。
午後遅くは太陽が出なかったので逆光でのフレアが出ない様子等を撮影は出来なかったが、開放 f2.8 での背景のボケ具合は良好。主題をきりりと引き立たせる、80mm のポートレート焦点距離レンズとなる。夜間撮影の実力も評価出来る。ネオンや看板の光を絞り開放でも滲ませる事なく、クリアに写し出し、夜の闇に潜むなまめかしさまで切り取っている印象がある。
新品定価 1/4 で、このクオリティにて撮影可能な M レンズを発見出来るとは。非常に良い買い物であった。中古カメラ店巡りは、時々こういう目玉品に出会えるので、なかなかやめられない。