Sasurau 師匠曰く、「中古オヤジ市」たる松屋銀座の吉例中古カメラ市に出掛けて来た。目玉商品は初日に押し掛けるカメラオヤジの大群がさらっていってしまう様だが、週末割引商品もあるというので土曜夕刻だが東西線→銀座線で現地へと向かう。銀座アップルストアの斜め向かいにある、iMac の様な白が基調の松屋1階に潜入。アウトドアなカメラオヤジには全く似つかわしくない、外国製香水の匂いに占領された化粧品売場を足早に抜け、エスカレーターで8階催事場へ。到着すると、真剣な眼差しで中古カメラ・ショウケースを凝視するオヤジの大群が。これはオヤジ市ビギナーには敷居が高い。(ちなみに当方は、渋谷東急のカメラ市以来、二度目の訪問体験。)
しかし5分も会場を歩いていると、いつしか自身も真剣な商品見定めモードに入り、オヤジ市の空気に馴染んでしまっていた。(というか自分も立派な40台半ばのオヤジであるから当然か。)いつも週末に歩き回っている新宿界隈の中古カメラ屋の価格水準と比較すると2−3割高い商品が多い印象だが、その分中古品クオリティが高いのか、それとも中古市開催前半でコストパフォーマンスの高い商品は皆売れてしまったのか。
ただ、「サタデーサービス」と明示された商品に時々掘り出しものがある。100万円超の激レア珍品が並んでいても会場の客は眉ひとつ動かさないツワモノ揃いの中古市だが、人が多く集まる場所は割引商品のコーナー。
当方的にはアルプス堂で陳列されていたB級品の沈胴式 Elmar 90mm f4(1万5千円)と、千曲商会で発見した Contax Tvs Digital の棚ずれ新品(4万円)が気になり、その周囲を徘徊したあげく、まずは Elmar の実物チェック。外観は非常に奇麗な商品だったが、レンズ曇り有り、で Lumix G1 に装着、試写するとやや曇りの影響が大きい事が判明し候補落ち。2005年に一旦格安新古品で購入し、その後売却してしまって後悔しきりだった、2003年発売の Contax Tvs Digital を購入する事にした。
2005年のフジヤカメラ購入時はマニュアルやリモコンが欠落していたリファーブリッシュモノだったが、今回購入した商品は、外箱はややすすけているものの、中身はバリの未使用品。こんなものがまだ新品同様で残っているとは、と感動を店員のおばちゃま(普段は経理担当だが、中古市の時は販売員として借り出されている、との事。)にお伝えしつつ有り難く購入。
Tvs や T2 (そういえばこれも未使用新品を見つけて購入した)のアナログカメラを使い倒した上で手に入れる Tvs Digital (チタン色)の喜びはひとしお。このサイズで、Carl Zeiss T* の秀逸コーティング・レンズでスナップ撮影(作例は、こちらの flickr アルバムにて)が楽しめるのだ。1.6 インチと現在では極小の背面液晶だが、本機にはズームと連動する光学式ビューファインダーがあり、撮影はもっぱらそちらを通じて、という事になる。5百万画素 CCD も愛嬌。1GB SD カードなら ノーマル画質で、700枚以上を撮影可能だ。非常にコントラストが美しい写真撮影を、再び楽しめそうである。こうなると Tvs Digital のブラックも手に入れたい所だが、最近は中古屋でもなかなかお目にかかれない。
ネオンが眩しい夜の銀座4丁目交差点界隈の街角風景を撮影し、帰路。世界の中古カメラ市は、カメラオヤジには貴重な楽園なのでありました。