しばらく iPhone 重力圏に居たせいか、新宿の量販店で発売予告を見るまでは ブラックベリー・ボールドが日本市場向けにドコモから発売される事を全く認識すらしていなかった。docomo がビジネスユーザー向けにブラックベリーを販売している事はおぼろげながら聞いていた、程度の理解だったのである。だが、iPhone を並行して利用しつつも最近メイン・モバイル・マシンを BlackBerry へ移した Joi の様子を横目で見ながら、いつかは使ってみたいと考えていて、とりあえず発売初日に手に入れ、実機テストを行ってみた。各種外部アプリを導入し、使い込む程に、確かに本機は iPhone とは異なる利点が多い事を理解した。特にテキスト処理は強力。Twitter やメールの使い勝手に関しては、iPhone より一歩進んでいるという印象。まずは購入初日のレビュー。(追記:その後、「携帯電話を充電中に発熱する場合があることを確認しましたので、2009年2月27日より販売を一時見合わせ」との docomo 発表有り。当方の個体にはその現象が出ていない様だが、3月1日現在まだ理由は解明されず。)
docomo 回線利用は、前回いつ最後にキャンセルしたかを思い出せぬ程久しぶり。それ故最近の価格体系が全くわからないのだが、iPhone でも殆ど音声通話を利用しないので、最低限の通話プラン+定額データプランの組み合わせで利用する事に。具体的には、docomo のサイトを御参照。ひとりでも割50、で最も安い通話プランと、Biz ホーダイダブル、で定額データプランに加入した。端末代金は約4万円を一括で払い、残り3万円余りは24ヶ月継続利用すれば支払わなくても良い「端末購入サポート制度」を活用する事になる。
端末を手に取ると、予想外に軽量である事にまず驚く。iPhone と比較すると縦方向がやや短く、ポケットにすっと収まる。中央に配置されたトラックボールは、バックライトで点灯。十字キーやトラックパッド等より、クリクリと軽快に親指の腹でスライドさせる事が可能で、非常にカーソル操作がラクだ。タッチ液晶では無いので iPhone との操作性の違いを心配していたが、これなら自由に使える。iPhone では片手で本体をホールドし、もう一方の手指で画面タッチし操作、の両手オペレーションが基本だが、BlackBerry は効き手で本体を持ち、親指でトラックボールを操作しながらの、片手ブラウジングでも OK、という事が良く理解出来た。混雑する通勤電車内等では、片手のみでの操作の容易さは有り難い。
その次のステップでメール設定を始めると、BlackBerry のカンタン電子メール設定に驚き、やがて感動に変わる。どの様なメールアカウントでも、ID/PW を入れるだけでほぼ、設定が済んでしまうのである。これは手間要らず。そして設定が済むと20分程して、全ての設定アカウントのメールがプッシュで BlackBerry に配信開始され、一つのメールボックスでまとめてメールを読む事も出来る。全ての動作がキビキビとしていて、ビジネス利用にはこうでなくちゃ、と納得出来る仕上がりなのだ。
その後、No Mobile, No Life さんのブログを参考に外部アプリをダウンロード。(同ブログには BlackBerry Bold 関連情報が満載なので、是非こちらの BlackBerry カテゴリから一気読み頂き度い。)Twitter 用アプリは、同ページで紹介されている TwitterBerry を導入する。他には Google Maps と Google Latitude もインストール。これでほぼ必要なアプリは揃った。
TwitterBerry はシンプルだが使い易いTwitter クライアント・ソフトウェア。アイコンを含めた Friends TimeLine の読み込み速度は iPhone で TwitterFon を利用した方が高速、という印象だが、入力は連続投稿を行い易いインターフェースとなって居り、カンファレンスのリアルタイム・ログ等では力を発揮しそうである。
Google Latitude は、自分や Friends の所在地が GPS を利用しリアルタイムに地図上にプロットされるという新サービス。GPS の精度か実際の位置からわずかなズレは見受けられたが、十分実用に耐えるクオリティだった。
インスタントメッセンジャーも、Google Talk と Windows Live Messenger は BlackBerry の本体メニューの操作でインストールが容易。両手親指での入力がし易いキーボードとともに、テキスト系アプリの使い勝手は iPhone 以上である事が利用開始初日から実感された。
BlackBerry Bold 本体メニューアイコンからインストール出来る天気予報や株価のアプリはまだ英語版だが、このあたりも iPhone 同様日本市場対応されて行く事だろう。日本語ニュースは、docomo 提供のトップ画面の「アプリケーション」アイコン→無料アプリから、産経ニュース for Black Berry Bold アプリをダウンロード可能。
本日ダウンロードしたアプリケーションで感動レベルが高かったのは Google Sync。これを利用すると、BlackBerry 本体内蔵のカレンダーアプリと Web 上の Google カレンダーを PC を介さずにワイヤレスで双方向同期可能となる。Apple の MobileMe 的機能を、無料サービスで実現している。Google カレンダーの活用度合いを広げてくれる有り難いアプリである。
大きな画面を利用し、写真のブラウズやゲーム、YouTube 視聴は iPhone で。サクサク利用したい Twitter や email、Messenger 等のテキスト系アプリ、そしてカレンダーや MS Office Viewer 等仕事用アプリは BlackBerry で、と使い分けが出来そうだ。PC でも MacOS / Windows それぞれの利点がある様に、モバイル環境では iPhone と BlackBerry の役割がかぶらず、それぞれ活用する事が可能とわかり、一安心。
ただ一点心配なのは、BlackBerry と VAIO Type P の使途で重なる部分がある点。軽量な BlackBerry の登板回数が増える春になりそうな予感。