アナログ・カメラの Minox といえば、細長い伸縮式のスパイカメラが有名。時折中古カメラ屋で見かけるチタンボディが放つクールなオーラは抜群で、実際には撮影せず飾りになると分かりつつ、何度手に入れそうになった事か。そして、満を持してデジタル・カメラ版の Minox DSC (Digital Spy Camera) が登場。デジタルで扱い易いとなれば、これはもう躊躇する理由は無い。超小型カメラの画質、いかなるものかというミッションを背負って意気揚々と新宿量販店で発売日に入手。しかし本カメラの試写ミッションの困難さは、スパイ指令並みなのであった....。
近くの珈琲屋で早速箱を開けると、予想通り電池は多少充電されていた様で、電源ボタンを押すと作動確認 LED が点灯。試写を行い、結果を見ようと LCD/フラッシュユニット(小型の Minox DSC は、液晶とフラッシュ部は周辺機器として本体から分離されている)を側面に接続し、ギザギザが入ったモードダイヤルを再生モードに変更すべく回そうとしたが....回らない。ロック機構があるのかと調べてみたり、ボタンを押し回ししてみたりと試行錯誤してみるが、うんともすんとも動かない。15分程格闘するも全くダメなので販売店に戻って見せると、「これは初期不良ですね....」と即交換。いやはや。
さすがに心配になって、交換してもらった二号機のモードダイヤルを回してみると、やや動作が固いもののちゃんとダイヤルが回る。漸くほっとして二号機を手に帰宅。
さて遂に試写ミッション、とまずは充電を開始してみるが....充電されない。充電中を知らせるはずの、側面の緑 LED が点灯せず。これはおかしいと電池蓋をあけてみると、どうやら電池の接触不良。電池を端子に向けて押しながら、なら気まぐれで充電するが、ちょっと手を離すと充電しなくなってしまう。これも1時間程格闘してみるが、どうやら接点不良との結論。
カメラ上面アルミ部分の質感も高く、全体には良く出来た Minox DSC だが、細かい部分の作り込みが良く無い。LCD / フラッシュユニットとカメラ本体の接続も特殊な機構で、どうもしっくり装着されない感じだ。
期待した最新機種だけに迷ったが、結局2台目までこれでは....とあきらめて返品する事に。試写まで辿り付けない、残念な結果となってしまったのでありました....。もしかすると3台目を手に入れれば大丈夫だったのかもしれませんが、文字通りのミッション・インポッシブルに。外観は超小型で、所有欲をそそる仕上がりだっただけに、残念無念。