天気が良い日には、会社所在地の富ヶ谷2丁目から渋谷駅方面迄歩いて行く事がある。所要時間は25分程。静かな住宅街を抜ける宇田川通り沿いをぶらぶらと歩いて行くと、いつも目にする看板がひとつ。「ハチ公ソース」と書かれたその看板、気になりつつも、特段その周囲で当該ソースを販売している気配も無い。どうやら事務系オフィスはある様だが、随分と質素なビルに入っている。疑問に思いながらも敢えてネットで調べる程でも無いな、と長らく放置していた。しかし、先日近所のランチ処で偶然ハチ公ソース実物瓶に遭遇。店主に尋ねると数件隣の小さなコンビニに在庫有り、との情報。大手ブルドックソース等と比較すると、ツンという刺激が少なく優しい味らしい。早速コンビニへ行ってみる。
ずしりと重いガラス瓶入りのソースを発見。価格は比較的お手頃な298円の、ハチ公ソースフルーツ(いわゆるトンカツソース)味。近所の酒屋から卸してもらっている、というコンビニ店員さんからの追加情報。早速自宅に戻って揚げ物に利用してみると、マイルドで自然な味。おたふくソースともまたひと味違うローカル・ソース。一度知るとリピーターになりたくなる、不思議な魅力を備えた風味だ。流石に気になってネット検索してみると、ハチ公ソースを巡る多くの謎が、一つずつ明らかに。渋谷区神山町で見かけたハチ公ソースのルーツは、実は富ヶ谷町にあったのである。
こちらの公式サイトを見て頂くと、家庭用と業務用ソースでは別々の販路となっているのだが、一般家庭用には東急東横店、東急ハンズ、お台場のショッピングモールで販売されている。しかも、どうやら流通の元締めは富ヶ谷2丁目の、普通の酒屋の様である。
更に調べると、以前は、当方オフィスのすぐ裏にハチ公ソース製造工場があったという驚愕情報が!。こちらの記事の、Yahoo! 地図へのリンクを御参照。「渋谷名物 ハチ公ソース」は、渋谷区富ヶ谷町とも大変縁の深い、御当地ソースだったのである!!!。
ここまでわかると、総本山の酒屋詣でをしない訳にはいかない。同じ富ヶ谷2丁目でも徒歩で15分以上を要する、東大裏通り近くの「津の国屋酒店」迄、会社帰りに行ってみる事に。山手通りから東大裏通りへ入り、三菱自動車販売店を越えたところで右折すると目的地。総本山なので相当大手の酒類販売店と思いきや、かなり小振りな店構え。そして店の奥の棚には、おお、ウスター、中濃、フルーツとソース全種類の完全在庫が。
店主の奥様と思われる御夫人が、丁寧に対応して下さり、実は渋谷東急以外でも NHK 内の売店や、JR 渋谷駅忠犬ハチ公像近くのたばこ屋(!)で土産販売していると教えてくれた。でもやはり、津の国屋で購入するのが一番安いんですよ、とも。
先日購入したフルーツ味に追加、ウスターソースも購入。残念ながら、業務用のみに存在する「特選ウスターソース」は、家庭用としては販売されていない様だ。新宿東口のとんかつ名店「三太」には業務用があるらしいので、そちらで試してみるとしよう。(この店のソースがハチ公ソースとは、しばしば通いながら全く知らなかったのだが。)
その後更に調べると、ネット上でのオンライン販売も、店舗販売価格からは多少値が張る様だが行われている。渋谷方面まで来るのは大変、という向きは、ネット販売でお試しを。渋谷近郊の方は、津の国屋の店主の奥様から蘊蓄を伺いつつ、総本山にて購入頂き度い。幸せに美味しい、「御当地ソース」なのです。