昨晩突然発表された新 iPod shuffle (第三世代)。かなりの小型サイズで衝撃を受けたが、より気になるのは、本機から新規導入された、曲名・プレイリスト名の自動音声による読み上げ機能。アメリカ生まれの shuffle がどの程度きちんと日本語曲名を発音出来るのか、イントネーションはどうなのか、大変気になる。昨晩のうちに Apple Online Store で発送状況を調べると、注文後 3 - 5 日で商品発送との表示。さすがに発表直後で時間がかかるのだな、と思いながらも、もしかしたらと Twitter で検索をしてみると....本日昼休み時点では渋谷 Apple Store には未入荷との Tweet が。それでもあきらめずに就業時間終了後再度検索すると...。あった!渋谷に在庫有りとの Tweet を発見。早速,渋谷公園通りのアップルストアへ。
店に到着するとしかし、shuffle 関連の広告掲出は無く、商品展示も無い。これはどうしたことかと店員さんに尋ねようとすると、店員さんが shuffle を装着している事に気付いた。これは有望。尋ねると在庫も有り!早速白いヘッドフォン色と似合うシルバー色を購入し、自宅で設定をしてみる。
まずは iTunes のアップデートが必要。本日から配布されている Ver. 8.1 にソフトウェアアップデート。その間にステレオヘッドフォンを接続して電源を入れてみると、"Please use iTunes to sync this iPod." といきなり流暢かつサイバーなロボット調英語で喋り始めるお茶目な shuffle。
iTunes のアップデートが済み、VoiceOver と呼ばれる自動読み上げ技術も導入されたので、早速 shuffle とのシンクを開始。小さなクレードルが付属していた 2G とは異なり、イヤフォンジャック兼用 USB に差し込む超小型ケーブルが shuffle 3G には付属している。兼用故に充電時には都度イヤフォンを外す手間はあるが、かさばるクレードルで無くなったのは旅行時には嬉しい配慮。
4G 大容量メモリへの楽曲転送も済み、いよいよ動作チェック。アルミ筐体の shuffle 3G は当方の小指より小さい。本体には電源スイッチ/再生モード選択のボタンがひとつしか無いので、曲再生、曲送り、音量調整には対応するボタンが付いた専用イヤフォンが必須となる。追って 3rd Party 製イヤフォンを接続可能なアダプターも外部メーカーから発売される様だが、Apple 自身はアダプターを製造しない、との店員さん説明有り。
操作は右耳下の、コード途中にあるスイッチで行う事になるが、この位置は賛否がわかれるだろう。スイッチはもう少し下の方が扱い易かったかもしれない。今の位置では、顎の横あたりで操作せざるを得ない。まあ、慣れればなんてことはないのだが。曲送りがダブルクリック、まではいいのだが、前に戻るにはトリプルクリック、が必要。この動作にも慣れが必要かもしれない。当方でも、3回押したはずが 2回+1回と認識され、誤動作する事があった。
さていよいよ、歌手名・曲名読み上げ。中央のスイッチを押し下げ続けるとロボット音声が読み上げてくれる。しかし、Ver. 1.0 ということもあってまだ完全では無い。「元」ちとせを「もと」ちとせと読んだり、カンタンな漢字でも「風」(かぜ)を「ふう」としか読んでくれない時もある。辞書の充実が今後のアップデートで行われるとは思うのだが。
アップルストア店員さんの「日英混在読み上げは不得意かも」という説明通り、Dreams Come True という歌手名では、「カムトゥルー」という後半部はちゃんと発音するのに、Dreams をアルファベットで一文字ずつ「D」「R」「E」「A」「M」「S」(速い発音だが)と読み上げたりする。BoA は「ビーオエー」だ。このあたりのロジックはやや謎。まあ、時間の経過とともに音声読み上げ辞書改良で直ると思うので、大きな心配はしていないのだが。完全英語歌手名・曲名の洋楽は、読み上げ自動音声が別人に変わり、きちんと英語発音してくれる。日本語・英語が1ファイルに両方ある曲名・歌手名読み上げに時々問題が生じる様だ。
とまあ、発音やイントネーションに関してはロボット読み上げ独特の問題はあるが、多くの曲名や歌手名はちゃんと読んでくれる。初期版からの能力の高さに驚かされる事だろう。人と同じレベルを期待すると肩すかしだが、ロボット読み上げもここまで来たか、と技術進歩に感心する事になる。
特に便利と感じたのは、プレイリスト読み上げ機能。ずっと再生ボタンを長押ししていると「ピッ」と鳴るので指をスイッチから離すと、リスト選択モードに変わり、順番にプレイリスト名を読み上げてくれる。該当リストのところで再度再生ボタンを押すと、そのリストから再生される事になる。細かくプレイリストを分けると、液晶表示の無い Shuffle でも好みの曲を探し易くなるはずだ。
まだ荒削りな部分も散見されるが、超小型の shuffle にこれだけの先進機能を導入した事には、Apple らしいフロンティア精神を感じる。音楽プレイヤー技術の先端を引っ張る同社ならではの意欲的新製品と言えるだろう。通勤、そして出張の友として、活躍してもらえそうである。