デジカメと並び、技術進歩による便利さアップが顕著なガジェットは PND (Personal Navigation Device)。量販店での売場面積も、訪れる度に拡大。しかし東京都内ウォーキングやサイクリングで実際に利用してみると、完全に満足出来る機能を備えた逸品に辿り着けてはいなかった。PSP みんなの地図 3+ GPS (地図は良く出来ているが GPS の感度が弱い)→ Garmin Nuvi 250 及び 60CSx (米国製故、日本地図の詳細度が低い)→ Apple iPhone + Google Maps (地図精度は高く位置表示も正確だが、歩行者用経路が表示されないケースも多い)と使いつないで来たが、散歩用 GPS に使うにはまだひと味、足りなかったのだ。しかし、nav-u シリーズ売上好調の Sony から発表された新製品がこの、NV-U3C。実際に利用してみると、歩行者用にも実用的な製品である事が良くわかる。購入したばかりで利用期間はまだ限定的だが、とりあえずのファーストレビュー。
NV-U3C は基本的にはカーナビ。自動車に取り付けても十分な性能を持っている訳だが、U3C で特徴的なのは筐体の小型さと電池の持ち時間。4.5 時間 USB 端子経由で充電すると、4 時間駆動(カタログ値)する。自転車やバイクに充電電源無しで装着して出掛けるにはやや心もとない電池持続時間だが、都内歩行用には十分。
そして、「徒歩モード・プラス」という、これまでの nav-u より更に歩行者ユースに狙いを絞った機能を付加しているのである。具体的には、自動車用コースから一方通行等の道路交通規制を解除して、歩行者としての最短ルートが検索出来る様になっている。これは、PSPみんなの地図でも実現されていた便利機能に近い。しかしそれだけでなく、歩行ガイドが始まると右サイドに歩行地図切り替えアイコンが表示され、押す度に現在地周辺地図と、起点〜終点を含む全体地図が交互に表示される。これにより、全歩行経路中どこまで進んだかを容易に確認する事が可能となる。これがなかなか便利なのである。
実際に歩行を開始すると、位置を示すアイコンが人型に変わり、目的地方向は常に矢印で示される。カーナビなので、常に進行方向が画面上部に表示され、地図の見方を誤る事も無い。
これまで利用していた Garmin Nuvi 250 と比較すると、処理速度も極めて高速。タッチ液晶に触れると、地図表示でも、ボタン表示画面でも、非常にサクサクと軽快に動き、技術進歩に涙する事になる。特に、電話番号や住所検索の高速さが感動的。Nuvi 250 で内蔵 DB 検索をすると、重い処理となって画面がフリーズしてしまったのかと勘違いする程遅いのだが、NV-U3C の検索は秒速である。どの検索メニューでも、あっという間に検索結果が表示され、ストレスが無い。目的地検索結果にタッチしてそれが地図上でプロットされる迄の時間も一瞬。これまでの PND の至らなさを痛感していた古参 GPS ユーザー程、このスピードには感激する事だろう。
上位機種同様、画面上でジェスチャーコマンドを指で行うと、地図縮尺の拡大/縮小が出来たり、自宅までのルート検索を一瞬で行えたりする機能も便利。至れり尽くせり、である。
ワンセグ TV 等の付加機能は無く、ナビ機能に絞った端末だが、価格を3万円台半ば迄落とし(実売3万円ちょっとの店も)、サクサク感と軽量さを売りにしている。歩行ナビとしての便利さは初日でも十分納得出来るものだった。
さて次はマウントを工夫して、自転車やスクーターに取り付けてみるとしよう。自転車のハンドルに直接取り付ける為のオプション製品、NVA-BU1 にも注目。