Asahi.com でそのニュース(「レンタルバイク盛況 不況で愛車手放すライダー飛びつく」)を知ったのは、土曜日の朝8時半頃。最近幹線道路沿いにレンタルバイク店を時々見かけるなぁ、位の印象だったのだが、調べると家から歩いて行ける距離にもレンタルバイク店があるではないか。250cc スクーターを手放してから通勤では便利な 110cc スクーターを愛用しているが、一ヶ月に一度程度は、定額で安くなった高速道路経由、バイクで遠出をしたい、と思う時もあり。レンタルバイクはそういうニーズにピタリと応えてくれる。早速近隣の店に電話をしてみる。当方の中型二輪免許で乗れる 250 - 400cc バイクで ETC 付きの機種は、さすがに当日予約では全て出払っている、という事だったのだが、ETC 無しならある、というのでとりあえず現地視察へ。
店に到着すると、バイクの陳列の仕方はバイク屋そのもの。全て現役レンタルバイクだが、奇麗に整備してあるのと、比較的新しい機種が多いせいか、まるで新車販売店の様である。250 - 400cc バイクを吟味していると、店の外に以前から気になっていた三輪バイク(トライク)の PiAGGIO MP3 を発見。しかも ETC 付き。トライクは二輪免許で無く普通車免許で乗る車種で、価格も 250cc の割には普通の 400cc バイクよりちょっと高めの 18,000 円 / 24時間。トライクに乗れる機会もしかしそうそう多くは無い、という事で、赤/黒カラーの MP3 に決定、半日での軽井沢往復を試みる。
三輪という事で特殊な運転技術が必要かと思いきや、フロントがややヘビーな事を除けば、運転感覚そのものは 250cc の中型スクーターと大差無い。しかし、まず発見する特殊性は信号待ちの時。停止直前で右手側ボタンを操作すると、二輪を支える回転軸がロックされ、両足を地面につけずに停止出来てしまう。再度発車する際には、スロットルをあければロックは自動で解除される。三輪ならではの機構になっている。
車両重量は重めなので出足は一呼吸遅れるが、加速は悪くない。50-60km の巡航速度にはすぐ加速する。高速道路でも、90-100km あたりは余裕がある。小さいながら風防があるので、高速走行そのものは気持ちよくこなせる印象だ。フロントが二輪になっている逆三角の恩恵は高速道路でも享受出来る。そう、直進安定性が非常に高いのだ。タイヤ径が小さなスクーターは、高速道路の直進性にやや不安を感じる事が多いのだが、MP3 は例外。ひたすら直進、は力強くこなしてしまう。あっという間に関越を軽井沢インター迄走り切り、次はカーブが続く山道。250cc + 重量があるので、登坂の加速力は十分とは言えない。ここでは、400cc とひとクラス上の MP3 のエンジンが欲しくなる所だ。しかし、ここでまた三輪車の恩恵。カーブで接地面積が増えるので、非常〜にカーブでの挙動も安定するのである。中年ライダー、になると、カーブで転ぶと仕事や家族に響いてくる。この安定性はとても嬉しい部分である。
勿論良いところばかりではなく、国産スクーターに比べるとやや少なめに感じられるラゲッジスペース(しかし後部トランク部分は広い)、ボタン類のクリック感が今ひとつな事、押して歩く際の取り回しの重さ等はある。だが、3輪バイクの安定性は欠点を隠すのに十分過ぎるかもしれない。
軽井沢のアウトレットモールを一巡りし、東京ではなかなか見つからない特大サイズの服やズボンを入手し、帰路はトランクを一杯にして再び関越へ。巡航トップスピードは車の流れにも十分乗れるので、夜間の高速でも全く不安は無い。東京を出たのが13時半、軽井沢滞在が16時〜21時半、そして東京帰着は23時40分。10時間ちょっとの忙しい信州弾丸ツアーだったが、トライクの安定した走りで疲れも少なく、良いリフレッシュとなった。
レンタルバイク、次は久しぶりに普通のバイクを借りてみよう。