新型 iPhone で、購入初期は音楽を楽しむのだが、やがては通勤電車の中では使わなくなってしまう、そういう状況が続いている。原因はひとつ、鞄から出し入れする際のステレオ・イヤフォン・コード処理。iPhone の場合、鞄収納時に本体にコードを巻き付けてしまうと電話機、ブラウザでの閲覧機として使えなくなってしまうので、どうしてもコードを別にしまうのだが、都度巻き取るのも面倒で乱雑に鞄の中へ。そして取り出す頃にはコードは見事に複雑に絡まって居り、それをほぐしているうちに電車は一駅、二駅と進んでしまう....という面倒さで、音楽そのものを聴かなくなってしまうのだ。鞄から出して利用出来る様になるまでの「取り出し起動所用時間」は重要で、絡まるコードは物理的にも心理的にも障害となっていた。そんな時、ふと量販店店頭で見かけた Sony Walkman 202。プレーヤーとステレオ・イヤフォンが一体化した奇抜な形状だが、即起動派には嬉しい仕様である事を発見、価格も 2GB メモリで1万円以下と手頃な為、早速入手。
普段 Mac + iTunes + iPhone の組み合わせで音楽を楽しんでいた Apple 遣いとしては、Sony Walkman シリーズは遠い存在と感じていた。しかし本機では付属ソフトを使わずとも、USB 接続するだけで大容量外部メモリとして Mac で認識される為、あとは W202 の音楽フォルダに iTunes の楽曲リストからドラッグアンドドロップで再生したい曲(勿論、DRM がかかっていない曲になるが)をコピーするだけで良い。これで準備完了。充電も、付属の専用スタンドで行うのでも、通常の USB ミニプラグで行うのでも、どちらでも良い手軽さだ。Sony も段々とオープンな世界に入って来ている感がある。
ウルトラセブンの変身メガネ(歳がわかってしまうな.....)の様なイヤフォン部を中央のマグネットから二つに割り、コード部分を耳の上にひっかける様に装着し、右耳イヤフォンユニット下部のロータリーボタンを押すだけで再生が始まる。もう一度押すと停止。ロータリーボタンを速めに前後に回すと、選曲が可能となる。やはり右耳下にあるシーソー型スイッチで音量調節を行う。操作はこれだけ。新型 iPod shuffle の様な曲名読み上げ機能や、フォルダ選択機能が付くと完璧だなあ、と思うのだが、まだそこまで高機能では無い。
主としてジョギング、エクセサイズ用に開発された耳掛け型プレイヤーと思われるが、「コードが絶対に絡まない」剛性と短さである為、通勤鞄からさっと取り出して音楽を、という用途にも向いている。再生機構を埋め込んだイヤフォン部が大きめで、装着感には個人差があると思うが、当方としては手軽さ優先で良い、との判断。音質も Sony だけあって文句無し。
曲のサビを次々に聴かせて選曲を容易にする Zappin 機能を活用するには付属ソフトを利用せねばならないが、普通の用途ではそれほど必要無し、と思われた。iTunes との併用でも、DRM 楽曲以外を楽しむ iPod / iPhone サブマシンとして、十分モトは取れそうである。手ぶらで出掛けたい夏にピタリはまる、真のウェアラブル音楽プレイヤー、と言って良いでしょう。