Panasonic Lumix G1 / GH1、Olympus E-P1 (PEN) に次ぐ、第四のマイクロフォーサーズ規格対応カメラの Lumix GF1 がパナソニックから連休直前の金曜日に登場。小型軽量で常時携行に苦が無く、ボディの造りも金属外装で高品位。Olympus E-P1 と比較し当方が購入前に注目したのは、(1) LVF (Live View Finder) を外部装着可能である点と、(2)オールドレンズ装着時の使い勝手向上、そして(3)動画撮影機能の即時性向上。
(1)に関しては、22万画素と画素数は少ないものの LVF のおかげで薄型デジイチでありながらファインダー撮影も可能となり、LVF の角度も垂直に立てる事が可能で柔軟な撮影スタイルを選べる様になった。(2)については、Leica / Carl Zeiss レンズ装着時の使い易さは G1/GH1同様簡便になった。E-P1 で使いづらかったのは、マニュアルレンズ装着時にフォーカスポイントを拡大し、それを解除してレリーズする迄の操作がやや煩雑だった事。GF1 はシャッターボタン一押しで画面拡大解除、もう一押しでレリーズが可能。この操作の流れが、撮影リズムを崩さない為に大事なのである。出来れば、左方向ボタン→OK ボタンの2動作で画面拡大する機能も1ボタン動作にまとめて欲しいが、これは今後の課題か。そして(3)に関連し、Lumix の最近の AVCHD 動画撮影操作は、静止画用シャッターと独立した動画記録専用ボタン(赤丸ボタン)で撮影モードに関係無く行えるので、モードダイヤルで動画撮影設定してからでないとビデオ撮影開始出来ない E-P1 では多少面倒に感じてしまったのだ。GF1 では GH1 と比較し HD がフルでは無く AVCHD Lite の 1280 x 720 で音声もモノラルになったが、オマケ動画機能としてはそこそこの性能を発揮する。(勿論、本音としてはステレオ録音機能位は、下のクラスの FZ38 でも装備する昨今、導入して欲しかったが)この辺りも Panasonic のお家芸、と言えるだろう。
以上3点の期待値は、購入後実際に操作した結果満たされている事を確認出来、GF1を購入して良かった、とつくづく感じる事が出来た。細かい点では各ボタンやレバー類の操作感もカチカチと多少固めに改善され、誤操作でダイヤルがずれる心配をせずに済む事に。Panasonic のカメラ造りの旨さは、コンパクト・デジタルカメラでコツコツと養った技術をこの新世代デジタル一眼に惜しげも無く投入している事にある。コンデジらしいUI 操作のわかり易さが、全体に反映されている。しかし筐体の質感はあくまでこれまでのコンデジを越える、上級機としての高いレベルで仕上げられて居り、モノとしての所有満足感も高い。バランスが非常に良いのである。
しかし、2日程使い込んでの嬉しい驚きは、セットとなる G20mm f1.7 パンケーキレンズ(換算焦点距離は40mm で、標準レンズ相当)の性能の高さだった。Olympus E-P1 を手放す際、キットレンズの 17mm f2.8 パンケーキレンズだけは Keep すべきか随分迷ったが、Panasonic 20mm f1.7 レンズに乗り換えて正解だった。明るいレンズ故に、開放絞りで予想以上のボケ味の良さを発揮してくれたのだ。例えば、この写真や、この写真。薄型レンズながら、見事なボケ味を演出してくれているのがおわかり頂けるはず。コンデジでは出来にくい主題強調が、このレンズさえあれば誰でも簡単に、完全オートモードでの撮影でも出来てしまうのだ。GF1 での作例は、こちらの flickr set にまとめたので御覧頂き度い。(スライドショーは、こちらからどうぞ)。
高品質なボディとレンズ。きびきびとした動作とユーザーインターフェースの分かり易さ。GF1 は、これまでデジタル一眼レフを敬遠していた様な初心者ユーザー層を取り込み、オールドレンズを Leica M レンズアダプター利用で楽しむ中上級者にもアピールする、良カメラと言えましょう。いかがでしょう、シルバーウィーク連休のお伴に、一台。