「神田川逍遥」という素晴らしい手作りサイトに見惚れてから、二回目の神田川沿いフォト・ウォーク。高田馬場駅付近から出発した小さな旅の終わりは江戸川橋。日も暮れかかって夕闇迫る都市河川の川面に、小さな影が動いている。スズメにしては大きく、カラスにしては小振り。Canon PowerShot S90 のデジタルズームでかろうじて寄って見ると、頭が青い。家に戻ってあれこれ東京に来る鳥を Web で調べてみると、どうやら「ゴイサギ」であろうとの結論。餌を待ってじっと佇む姿は、小型デジタルカメラでもブレずに数ショットを捉える事が出来た。コンクリに囲まれた小さな川の散歩カメラマンには、いつもこうしたサプライズが用意される。先週の高田馬場〜江戸川橋の写真はこちらの flickr アルバムで。(スライドショーはこちらからどうぞ。Canon PowerShot S90, Panasonic Lumix GF1 + 45mm f2.8 で撮影)先月行った隅田川河口〜秋葉原迄の写真はこちらのアルバムで(スライドショーはこちらからどうぞ。Panasonic Lumix GF1 + 45-200mm f4-5.6 及び 20mm f1.7, RICOH GR Digital III で撮影)御覧頂きたい。流れる場所により、神田川は全く異なる表情を見せる。
神田川中流となる高田馬場から江戸川橋迄は、川の両岸に遊歩道が整備されて居り、明治通りと交差する場所以外はほぼスムーズに川沿いの道を辿って行く事が出来る。途中の見所は、神田川の守り神の水神社、新江戸川公園、椿山荘の庭園等。この区間には川の中に設けられた、渡り鳥が休める擬似的な岩や魚道(勾配のある階段状の場所を斜面にして、魚が遡れる様にした場所)もあり、バードウオッチングを楽しむ事も出来る。神田川初級者には、このコースがイチオシ。
一方、中・上級者向けには下流コースがおすすめ。井の頭公園の池や善福寺池を水源とする神田川が海近くに辿り着く場所は、JR 両国駅近くの隅田川沿い。下町風情を楽しむなら、両国〜秋葉原ルートが面白い。両国駅から数分歩くと、河口近くの隅田川に掛かる両国橋に到着。まずは隅田川近辺のパノラマ撮影を楽しんで、河口付近から神田川を上流に向けて遡って行く。浅草橋近辺までは少しだけ川沿いの道がある。河口近くの柳橋近辺に係留された屋形船を撮影するも良し。柳橋の勇壮な姿を収めるも良し。
浅草橋を過ぎるあたりで、川沿いの道は無くなる。川からちょっと離れるが並行に走る道を歩いては、橋のある所で神田川風情を愉しみつつ秋葉原を目指す。昭和通りを交差した後で是非体験して欲しいのは、山手線/新幹線の橋梁手前にある、歩行者用の「神田ふれあい橋」。小学生の頃からラジオの部品を買いに秋葉原に通っていたが、この橋の存在は全く知らなかった。その橋から見える柳森神社も、小さなお社だが、「こんなに落ち着いた場所が秋葉原の街に」的な面白さがあるので是非お寄り頂き度い。そして、秋葉原のゴールは万世橋。夕暮れ時の万世橋は、川面に電気街のネオンが反射し美しい。f1.x の明るめの標準〜広角レンズを忘れずに。そしてしっかり歩いた後は、橋の近くの「肉の万世本店」で万世牧場直送のステーキやハンバーグを頂く、というのがおすすめである。
いつも目にしながらその全容を知らなかった神田川。井の頭公園から隅田川まで歩いても全長は約25km。冬が近づくと渡り鳥の姿も増える様なので、カメラ好きな方は散歩がてら是非お出かけ下さい。広角〜標準レンズで狙う画角が多いのですが、野鳥撮影用には 300mm 以上の望遠レンズも携行出来ると良いでしょう。中流の川沿い遊歩道は自動車侵入禁止の場所も多いので、お子さん連れの休日散歩やちょっとしたサイクリングにも好適、です。