Summaron 35mm f3.5 L レンズを持っていたのであまり注目していなかったのがこの、Elmar 35mm f3.5 L。Summaron を手放してしまって、小型の Leica Old レンズをそろそろひとつ、と思っていたところで、カメラ達人のキクチさんと JR 恵比寿駅西口の老舗中古カメラ店、大沢カメラでばったり遭遇。大沢カメラの極意を伝授頂いた後、年末に閉店が決まったウェンディーズハンバーガーを御一緒頂ける事に。そのテーブルの上に忽然と現れたのがこの極小レンズと Leica M9 の組み合わせだった。機動的で、そしてシンプルな美しさがある。Summaron より一回り小さな Elmar に心惹かれ、週末早速フジヤカメラへ。すると、あるではありませんか、Elmar 35mm f3.5 の中古が2本。GF-1 との相性を調べつつ、多少レンズクモリのある B 品ではあるものの、廉価なレンズを入手。早速フジヤ近所の夜景を撮影した flickr 試写アルバムは、こちらからどうぞ。(スライドショーは、こちらを御参考下さい。)
Elmar 35mm f3.5 L は 1930 - 1950 年の間に、42,500 本生産された、との事。クローム仕上げで、距離計が m でなく feet 表示になっている本レンズは、1940年代頃のものだろうか。少なくとも60歳のおじいちゃんレンズである事は間違い無かろう。
しかし、作例の通り、60年を経たオールド・レンズと言えども、それなりに美しい描写となっている。オールド・レンズらしい柔らかな描写とともに、色再現は忠実だ。
本レンズで気に入ったのは、中心部の黒塗り部分の外周にある、小さな絞りレバー。かろうじて指先に引っかかる程度の小さな爪で、円形絞り羽を操作する。最新鋭のマイクロフォーサーズデジカメを操作している事を忘れる、アナログな緩さ満点の操作レバーなのである。夜間は開放 f3.5 で利用するケースが殆どだったが、日中は被写界深度を稼ぐ上でも本レバーを活用する事になるだろう。
m4/3 - Leica M/L マウントアダプターが介在するので、M9 に装着した時程薄くはならないが、小径レンズはシルバー光沢で黒の GF-1 に装着すると鮮やかなコントラストで似合っている。m4/3 故に焦点距離も70mm の中望遠レンズとなるが、ポートレイト撮影や街角風景の切り取りに威力を発揮してくれそうである。ともかくボディ+レンズの総合的な厚み/重量を小型化したいモバイル・カメラマンにおすすめです。
尚、マイクロフォーサーズカメラとライカ M マウントオールドレンズの各種組み合わせ Review は、当方ブログのこちらのエントリーも御参照下さい。