Sony Cyber-shot HX5V は使い込む程に凝縮された実力の高さがわかるのだが、第二回目レビューのポイントは内蔵 GPS と動画撮影機能について見てみる。まずは GPS機能。以前 Nikon CoolPix P6000 の内蔵 GPS を試してみて、GPS 衛星補足に要する時間の長さに参った事があったので大きな期待はしていなかったのだが、HX5V の GPS 補足は、きちんと準備をすると高速だ。準備、というのは、付属ソフトの Picture Motion Browser (PMB) を利用して、「GPS アシストデータ」なる、衛星補足の為の補助データを事前にカメラに読み込む事。PMBさえインストールしてしまえば、付属 USB ケーブルでカメラと PC 本体を接続するだけで自動的に GPS アシストデータを更新してくれる。データの有効期間は約1ヶ月、だ。アシストデータを読み込むと、電源オンにしてから衛星を捕まえるまでの時間が劇的に短縮される。データ更新直後の起動ではそれでも1−2分程かかるが、一度補足してしまえば次からは、数秒〜15秒程度で衛星を捕まえてくれる。スイッチオン後瞬時に衛星捕捉してくれれば言う事ないのだが、それはまだ技術的には難しい様だ。スナップ撮影の場合、起動後衛星捕捉迄10秒かかるだけでも待たされる気がしていまうが、とりあえずは実用の範囲内で使える GPS 機能である。GPS データ入りの写真ファイルは、iPhoto や flickr 上でも自動的に地図にリンクされる様になる。GPS データ入りの写真もいくつかアップロードしたので、こちらの flickr 作例を御参照。(US flickr は日本の地図データが今ひとつ詳細度に欠けるので残念ではあるが。)
そして次は AVCHD 動画機能。いくつかの Blog レビューでも指摘されている事だが、HandyCam 等と比較して音声品質がやや悪い気がする。ちょっとこもった様な音で録音されてしまうのだ。この点が改善されれば、Full-HD / AVCHD ファイルフォーマットで撮影出来るので、非常に実用的なのだが。一方で、オマケのビデオ機能と考えればまあ十分、という見方も出来る。仕上がりは、YouTube にアップロードした、当方撮影の簡素な動画ファイルで確認頂きたい。(とりあえず身近で動くもの、という事で JR の列車を撮影している。)途中で望遠から広角にズームを動かしているので、その際のノイズ等も確認が出来る。
数日使っていると、万能な HX5V と言えどもいくつか欠点も見えて来る。ロックが無いので不意にまわってしまう事があるモードダイヤル、ボタン同士が接近しているので間違って押し易いメインスイッチと連写切り換えスイッチ、手持ち夜景モードでも、あまりに暗いとぼやけた画像になる時もある...等等。
しかしそうした小さな欠点よりも、トータルな機能性の高さで HX5V は同クラスの10倍ズーム・コンデジ競争の中で頭ひとつ抜け出した気がする。この春に新しく10倍ズーム・コンデジを買うなら、間違い無く HX5V でしょう。(きっぱり。w)