山手線の西側に長年住んでいるが、東側、つまり東京下町方面の地理には滅法弱い。建設が進む新電波塔、東京スカイツリーの所在地も、漠然と「浅草の東の方」程度の認識でしか無い。最近は諸事情で遠出が難しい為、ゴールデンウィークも近距離移動を繰り返すのみ。「東京スカイツリーは一体何処にあるのか」を確かめるにはしかし、良い機会である。早速公式サイトで、所在地チェック。おや、地図で見ると、浅草経由で無くとも、両国や錦糸町からフォトウォークがてら散歩で行ける距離の様だ。中央・総武線人類の行動原理は「駅から徒歩で気軽に行ける範囲」が基本。これなら心理的に遠い感じも多少、埋められる。鞄に最近手に入れた(フルサイズ換算) 36mm 固定レンズの LEICA X1、25mm - 250mm 10倍ズームが便利な Sony Cyber-shot HX5V と iPad を放り込み、中央線お茶の水駅乗り換えで錦糸町へ。両国駅へ隅田川を渡る辺りで、白く巨大な東京スカイツリーが姿を現した。実物を目にするのは初めてで多少興奮しながら、錦糸町駅に降り立つ。駅からも遠くに、東京タワーの高さを超えたスカイツリーの勇姿が見える。錦糸町から両国方面に数本戻ったところには、少しずつ近づくスカイツリーの姿を眺めて写真撮影しながらアプローチ可能な南北に長い細道も発見。下町の裏路地風情と未来的なタワーの姿のコントラストが写欲をそそる。この道を北上しながら撮影した写真作例は、こちらの flickr アルバム御参照。大きめ写真は、スライドショーから御覧あれ。
住宅や小規模店舗、倉庫等が雑然と並ぶ小道なので、おじちゃんたちが立ち話をしていたり、猫が一応車道でもある(しかし通る車は少ない)この道を渡ったりと、のどかな下町の光景が続く。家のまわりの花や植木も、お約束の様に置かれている。
東京スカイツリーがあと 100m ほど、という距離に近づくと、ツリーの圧倒的な存在感が強まるが、それでも小道の周囲は下町そのもの。タワー周辺のごく限られた地域以外は、東京下町風情で、建設が進んでもしばらくそれが変わる事は無さそうだ。一方で御近所在住の @tucan さんから寄せられた情報では、この小道が「新タワー通り(仮称)」として数年かけて整備される計画も有りとの事で、今後は様相も変わって来るのかもしれない。計画では、電線を地中へ埋め込み、歩道を整備して、タワー周辺を回遊し易くしようとしている。
浅草通りを渡り、北十間川に到達すると、そこが東京スカイツリーのほぼ真下。高さ358m まで建設が進んだタワーを下から見上げると、まだ半分ちょっとしか完成していないのに、圧巻である。白いタワーは、赤い東京タワーと違って上品な美しさを備えている。多少膨らみを持たせた設計は、新宿西口のコクーンタワーを想起させる。ゴールデンウィークの人出は確かに多いが、タワー北側の押上、業平橋駅からの人が中心なのか、錦糸町方面・南側からのアプローチは少なめだ。多少距離はあるものの、穴場コースと言えるだろう。5月末には第一展望台の工事が始まるとの事。次回はそれが完成した辺りで訪れてみるとしよう。
東京スカイツリー工事現場訪問の前には、公式サイトや Wikipedia でツリー関連知識を頭に入れると数倍タワー見学を楽しめる。施工担当の大林組、デザインの日建設計、LED 照明を行う事になった Panasonic (Panasonic サイトは、音楽、CG が美麗仕上がりなので是非チェックを)の関連サイトも、「これ豆知識な」的情報満載で興味深いので是非。
当方的B級グルメ豆知識、としては、錦糸町駅前でふらりと通りがかって見つけた昭和48年創業の老舗洋食店、「斉藤」。ビーフシチューが旨い店との事だが、デミグラソースのハンバーグも絶品。タマネギとマッシュルームがたっぷり載った「ハンバーグ・シャッスール」は涙モノです。錦糸町から昼出発の場合には、是非お立ち寄り下さい。そしてお土産は、文化二年創業船橋屋の名菓、くず餅。4〜5人分で1000円。450日かけ、地下天然水で発酵、精製した小麦使用で、食べごろは2日間のみ。冷蔵庫に入れてはいけません。亀戸天神名物ですが、錦糸町駅で購入出来ますよ。