Sony NEX-5 body and lenses
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レンズは、少し描写が甘い気がする。日中の撮影でも、夜間の撮影でも、単焦点/標準ズームそれぞれにキリッとした描写となるケースが多くは無い。しかし、価格を考えると、それは仕方が無い所なのかもしれない。勿論、APS-C と大きな CMOS なので、コンデジを長く利用して来た、全くデジタル一眼を利用していないユーザー視点からは、撮影写真を拡大した時の Detail の写り込みは、尋常で無く感じられるだろう。普通に使えば、普通に撮れる、そういうレンズがまずは装着されている。
本体を超小型化した分、レンズは相対的に大きく見える。しかし、光学手振れ補正機能を内蔵しているズームレンズには、かなり小型化に苦労してデザインされた様子が伺える。外装の質感も素晴らしく、単焦点レンズ好きの当方としては 16mm を多用するつもりだったのだが、最近は標準ズームを装着して外出する頻度が高くなっている。
設定変更を行うボタン類は右手親指で操作出来る範囲に集中、シンプルで潔い。携帯電話や、コンデジを多用していたカメラ初心者なら、あまり迷わずに使える事だろう。一方で、撮影設定を度々変更するハイアマチュアから見ると、一番不満を持つのはこのボタンの少なさ、だ。WB の変更ひとつでも、階層深く入らねばならず、カスタムボタン設定等も無い。中/上級ユーザーは、このあたりで NEX の購入を見送るケースが多い様だ。
しかし、基本的にオート設定で撮る、コンデジより Detail が写るスナップ機、と位置づけてしまえば、あとはシャッターを押すだけだ。シャッター音も独特で、普通のデジイチのシャッターを二回切った様な音が、一度のシャッターで表現されている。このあたりも好き嫌いが分かれる所だろう。このシャッター音には、当方も購入し3週間程が過ぎたが、未だに慣れる事が出来ていない。
スナップカメラとして便利なのは、液晶を上下にチルト出来る機構。小型筐体で良くぞここまで、という位、液晶は自在の角度に設定出来る。ローアングルでも、ハイアングルでも、輝度が高く美しい液晶とともに使い易い。下位機種の Cyber-shot への搭載もお願いし度い位の便利な仕組みである。
Cyber-shot HX5V で当方が多用している「手持ち夜景」機能や「スイングパノラマ」機能を、APS-C の大型 CMOS で実現している点も評価出来る。さらには、Sony αの上級機譲りの機能として、オート HDR 機能も有り、これは今後作例を増やして行きたい所である。(オート HDR を使わないノーマル撮影作例はこちら。)
以上の通り、ノーマル状態では、超小型軽量である点以外は、レンズ品質に基づく画質でやや満足しきれない部分があり、そこそこの評価となってしまう NEX-5 なのだが、当方が期待しているのはもうすぐ到着する Leica M マウントアダプターとの組み合わせ。マイクロフォーサーズでは焦点距離が2倍になってしまった Leica レンズが、NEX の APS-C の CMOS との組み合わせでは、1.5 倍の焦点距離で利用可能となる。35mm 広角レンズが、ほぼ標準レンズとして利用出来る様になるのは嬉しい限り。マウントアダプターの到着を待って、再度評価してみるとしたい。世界最小サイズボディで、Leica M マウント交換レンズを利用可能なデジタルカメラシステムが、もうすぐ完成する。