事情あって家族全員揃って旅行に出られない今年の夏休み、まずは父・長女の組み合わせで旅行をする事に。スケジュール調整から、期間は2日のみ。目的地を種々検討結果、関西方面への修学旅行が無い娘の為に、急ぎ足で大阪、京都を巡る事にした。本当は奈良にも行きたかったのだが、一日目が娘の希望で大阪の USJ (Universal Studios Japan) となった為、さすがに2日で3カ所は厳しい、と断念。2日目はじっくりと京の街を周遊する事にした。と言っても、当方も京都は中学の修学旅行以来、久しぶり。大阪は出張では時々訪れたものの、USJ は初訪問。インターネットで概要を調べるが、後は iPhone の道案内で何とかなるだろう、と軽装で長女と新幹線のぞみに飛び乗った。お盆休みの後だったので、自由席でも問題無く座る事が出来、ガイドブックをあれこれ読むうちに2時間半で新大阪着。
さて、ここから父娘二人の珍道中の始まりである。到着は午後1時半過ぎ。まずは遅い昼食をとろうと、地下鉄御堂筋線でなんばへ。大阪のエスカレーターは左側で無く右側に乗るべし、といった基本ガイダンスは、実地に学ぶと娘もわかり易い様だ。関西訪問初の長女は、楽しげに雑踏を駆け抜けて行く。なんばの駅からは戎橋へ。おなじみのグリコのネオンサインが眼前に広がる。道頓堀は工事中だが、さっさと写真撮影を済ませて肝心のランチ場所探し。法善寺横町に旨い店が多い、という情報だけはガイドブックから得ていたので、戎橋から脇道を南下する。長女の希望は「二度づけ禁止を体験したい」。そう、大阪名物串カツ、である。何かないかな、と見渡すと、法善寺入口に串カツを両手に持った謎の人物像が。この近辺に店舗展開し、創業四代目の人気店、「だるま」がちょうど良く見つかったので、そちらでランチタイム。さくさく衣に長女も当方も満足。二度づけ禁止だが、どうしても追加でソースをかけたい時には、丸めのキャベツですくってかければ OK、という技も学んだのであった。
ランチの後阪神線で西九条経由、JRゆめ咲線に乗り換えると、すぐにユニバーサルシティ駅。ネットで予約した USJ 横のホテルに荷物を預け、午後3時から閉園の9時まで使えるサマートワイライトパスで入園。更に、エクスプレスパスを追加すると、指定された4つのアトラクションは待ち時間少なく乗れる(Disney Land のファーストパスが有料になった様なチケット)というのでそれも購入。午後4時入園なので、5時間で出来るだけ乗らねば、というあわただしいスケジュールである。
75分〜90分待ちといった、長い待ち時間のアトラクションにエクスプレスパスを利用すると、たしかにほぼ待ち時間無くいきなり先頭に出て参加出来てしまう。逆にこれが無いと、夏休み期間中は夜もそれなりの入場客なので、暑い中で長時間末のは結構つらそうだ。いくつか長女とアトラクション体験結果、ハリウッドドリーム・ザ・ライドは音楽と遊園地の夜景を楽しみながら乗れるジェットコースターで二重丸、そしてジュラシックパーク・ザ・ライドは最後に水をかぶるものの(USJ は水をかぶるライドがこの他にも多いので、夏向き)、大きな恐竜のロボティクス+最後の急降下で楽しめるという評価に。本当はフロリダで一番面白いと思えたターミネーター2・3D のショウを最後に楽しむ予定だったのだが、これは閉園時間よりもかなり早く終了してしまい、今回は見逃してしまった。残念。次回はもうちょっと早い時間に見るとしよう。忙しく回ったが、5時間で全アトラクションの半分は回る事が出来た様だ。残り半分は、次回ツアーの楽しみにとって置くとしよう。
USJ は、アトラクション以外にも、サンフランシスコのフィッシャーマンズワーフそっくりに作られた建物や、NY のマンハッタンを再現した地区等もあり、LA ハリウッドのスタジオだけでなくアメリカの多くの場所を一カ所でバーチャルに体験出来る様になっている。まだの方は、こうして夕方からでも楽しめるので、弾丸ツアーで楽しまれるのも手かと。
閉園後の夕食は、USJ からユニバーサルシティ駅までの間に広がる、ユニバーサル・シティ・ウォークというレストラン&ショッピング・モールが遅く迄開いているので色々選択出来る。エビ好きな長女は、ババ・ガンプ・シュリンプというアメリカンレストランを選択。東京にもあるけどまあいいか、と父もそれに同意して、エビとハンバーガーで大阪の夜を終えたのでありました。
USJ 横のホテル12階の窓からは、USJ 園内と、大阪の皆と風景が広がる絶景。ほら、見てごらん、と教える間もなく、遊び疲れた娘は先にスヤスヤ。一日目は USJ で遊ぶうちにあっという間に終了。
さてそして二日目。朝食を簡単にホテルで済ませて、ゆめ咲線→大阪環状線経由で大阪駅。ここからは在来線の快速で京都へ。ユニバーサルシティを出てからほぼ1時間で京都駅到着。
荷物は駅構内のロッカールームに預けて、まずは東寺の国宝、五重塔を目指す。地図で見ると近そう、ということで徒歩で歩いて行くと、途中AEON MALLで一休みしたものの、灼熱の太陽の下を歩いて行くには距離が有り、朝の10時過ぎから父は汗だくモードに。娘はそれでも元気一杯で、東寺着。広い構内を歩き回り、仏像拝観して五重塔の記念撮影を済ませると、今度はタクシーで金閣寺へ。遠いかと思うと、それほどでも無く、短い旅ではタクシーも効率的に利用せねば、とここで悟った次第。
娘は乗り付けないタクシー利用に反対したが、全行程の半分はタクシーで移動する事に。金閣寺への移動の後は、寺社の間は比較的近いので、ワンメータープラスアルファで移動出来る場合が殆ど。クーラーも効いているので、真夏はこれを利用しない手はない。途中で市バスも使ってみたが、待ち時間が結構あるので、たった1日で京都を回ろうとしている場合には効率的な移動手段では無い様だった。
世界遺産を出来るだけ回ろう、ということで金閣寺から北野天満宮を経て二条城と回る。当方修学旅行時代の懐かしい記憶が去来する。娘は京都の寺社の歴史に裏打ちされた荘厳さと美しさを、彼女なりに受け止めている様だ。昨日の USJ にいた時とは違う、神妙な表情を時折見せる。
さて、そして二日目もお楽しみのランチへ。先斗町の狭い路地を歩いて、ガイドも iPhone も見ずに美味しそうなお店の中を数件覗いてみる。最後にここだ、と決めたのは、有喜屋(うきや)先斗町本店。鴨川をどりの演舞場のすぐ横の落ち着いた蕎麦屋だ。エビ好きの長女は天ざるセット、当方はヘルシー志向で京豆腐の冷やし蕎麦。時間はもう午後3時、炎天下での移動の疲れをしばし休める。それにしてもこの店のせいろ蕎麦は美味しい。満足。
さて、この後はこの二日間の旅のクライマックス。祇園を抜け、京都霊山護国神社の坂本龍馬の墓、そして清水寺へ。夕方にもなりつつあったのでタクシー移動かと思いきや、娘は徒歩を希望。鴨川から祇園の裏道を歩き、八坂神社から坂を上り始める。特に、京都霊山護国神社への上りはかなりの傾斜。これは高尾山並みだと観念し、汗を流しつつ歩き続ける。スポーツ万能の娘は疲れを見せず、元気に坂を上って行く。父は後を追う様に急勾配を上る。
そしてたどりついた坂本龍馬の墓は、京都の街を見下ろす高台にあった。隣には中岡慎太郎の墓。京都の近江屋で刺客に教われた二人の墓は並んで立っていた。娘とともに、日本の恩人に深く感謝を示す為、しばし黙祷。体力のある娘は、山の一番上の桂小五郎(木戸孝允)の墓も見学すると上り続ける。父は龍馬の墓の前で一休み。龍馬由来のゆずソーダ水を飲んで、次に目指すのはゴールの清水寺。
京都霊山護国陣社のすぐ隣なのだが、一度山を下らねばならない。しばし、下り、そして今度は、ゆるやかだが長い、土産店が立ち並ぶ道を上って行く。娘は時折土産店に吸い込まれるが、すぐ出て来てはまた先を急ぐ。清水寺の入場は午後6時半迄。それまでに到着しなければならない。
到着は午後5時半。最後はゆっくりと、清水の舞台から京都の街並を見下ろす事が出来た。空も橙に染まり始める夏の夕刻。たった1日だが京都の大切な場所を巡る事が出来た喜びで、父も娘も感無量状態。記念写真を撮影し、清水寺に別れを告げる。
京都駅まではさすがに疲れてタクシー。修学旅行時の記憶には無かった、巨大な京都駅ビルにはデパートも入っていて、地下の食品街で京都料亭の特製弁当を買い込み、家と会社用の土産を買い込み、上りの新幹線に飛び乗る。午後7時16分発のぞみ号。平日なので、新大阪からの出張客が多かったが、無事自由席を確保。午後9時半過ぎに東京駅に戻り、2日間の夏休み父娘修学ツアー全行程終了。帰りの中央線内でも楽しかった旅行の思い出を語りつつ、帰路についたのでありました。
(長くなってしまいましたが、娘がいつか将来、このエントリーを読む時が来るかもしれない、という事でやや詳細な旅行記となりました。旅行写真の flickr set はこちら。最後までお読み頂いた方、是非関西弾丸ツアーへ!二日間でも、かなり回れますよ!)