長女は誕生日に Nintendo 3DS が欲しいと言う。しかし、気付いたら量販店も Web Shop の予約も全て終了済み。さてどうするか、と、とりあえず発売日の昨日、地元の中野、新宿、そして秋葉原のショップを歩いてみた。予想通り、地元の小規模ショップには数台規模しかニンテンドー 3DS フリー在庫は入らなかった様で、早朝に並んだお客さんが購入。新宿量販店街は11時過ぎ現在ではどこも Free 在庫は無く、予約販売のみ。千台のフリー在庫が朝にはあったという秋葉原のヨドバシ Akiba に希望を繋ぐも、お昼前ではこちらも Sold Out。さて困った。どうしようと途方に暮れつつ帰宅。ダメもとで、地元の小規模店で「予約は出来ないですかね」と大手量販店では受け付けてくれなかった予約について聞いてみると、「そういえば一台、予約キャンセルが出て...」とブラック 3DS の箱が奥から突如出現!あきらめかけていた夕刻、やっとの事で1台無事確保したのでありました。ふう。
自宅に戻り箱を渡すと、長女は驚喜。午前中にはまず無理だ、と伝えていたので、喜びもひとしおだった模様。長女の笑顔で、探した苦労も吹き飛ぶ、と。さて、長女が一通り使ってみたところで、興奮気味に当方の書斎にやってきて、「これ凄い」と教えてくれたのが顔シューティングと AR ゲームズ。当方は 3D 酔いが強い方で、映画も 3D は出来るだけ避ける方だったのだが、とりあえずは機能チェックを兼ねて...と少し触るつもりが驚きのあまり長々とプレイしてしまった。Nintendo 3DS は3次元表示機能も凄いが、実は現実世界とゲーム画面を合成する AR (Augmented Reality - 拡張現実)機能がもの凄い。Nintendo の底力を感じる仕上がりに、しばらく言葉を失ってゲーム画面に集中してしまった。まずは簡単ながら動画、静止画で見た方が理解し易いので、未体験の方はこちらの flickr スライドショーを御覧下さい。いや本当に、すさまじい。
顔シューティングでは、カメラで一度だけ、顔の取り込みを行うのだが、2次元の顔から3次元の顔モデルを短時間で生成し、更に表情の変化までつけてしまう。怒ったり、驚いたり、舌を出してみたり、という表情が、あっという間にモデリングされ、その顔をめがけて単純なシューティングを行うデモ的なシンプルゲームに仕上がっている。超高速な CPU を備えた PC や XBOX, PS3 あたりで実現しても驚かないが、超小型の 3DS で何なくこれを実現されてしまうと、言葉が出なくなる。
しかし、驚きはそれでは終わらない。箱に同梱されているトランプ形状の AR カードから、「?」マークを机に置いて、35cm 離れてそのカードをカメラで写すと、立体の箱が机の上からニョキニョキと出現する。そのひとつひとつがゲームになっているのだ。
冒頭にお見せした写真はその中で、Nintendo のキャラクターを当該絵柄の AR カードを写す事でカード上に出現させ、ポーズを取らせて写真に収めるというもの。先のビデオでもお見せした通り、カードをカメラフレーム内に移動すると、カードに描かれたキャラクターがこれもシュッと 3D モデルで出現し、フレーム外にするとシュッといなくなる。そのスピード感に違和感が無く、リアルタイムに動作する拡張現実、なのだ。Wii 等でおなじみの Nintendo のアバター、Mii を 3DS 上で作成し、それをモデルに使う事も可能だ。複数のキャラクターを表示しても、処理が遅くなる事も無く、それぞれ稼働する。カメラの位置を移動すると、キャラクターを色々な確度で眺める事が出来る。小さなお子さんならきっと、本当に動くキャラクターがお家に現れたと勘違いして、大喜びされるに違いない。
ゲームとしての完成度が高いのは、ビリヤードゲーム、そして釣りゲーム。ビリヤードは、カメラで写している机などの模様をそのままテクスチャーマッピングして、立体的な玉突きクエストを作り出してしまう。机が盛り上がる様は圧巻だ。
一方で釣りゲームは、机の上に波がたち、浅いところに大小様々な魚が泳ぎ始める。釣り糸をうまくたらすと、引きがあって、あとは 3DS を上に引き上げると釣れる、という仕組み。タイミングがちょっと難しく、かつ「?」マークのカードをカメラフレーム内に収めたままで竿を上げるという動作に慣れが必要だが、これもそのうち出来る様になる。「?」マークのリアルカードを回転軸の中心に置いて、3DS を持った人間自身が手や身体を動かす、という全く新しい動きをもたらすゲームなのである。
多くの人が指摘している通り、ある程度の時間使うと、目が疲れて来るのだが、3次元酔い、という程ではなかった。また、上蓋右手の 3D スライドスイッチで、3D 効果を簡単に弱める事が出来る。AR 系のゲームは、3D でなく 2D にしても、カメラとゲーム画面のミックスが重要なので、あまり問題無く楽しめた。3DS は、2D 画面に切り替えても、AR の効果で十分楽しめるのである!これは予想外の驚き、だった。
3DS 本体に Nintendo がプリインストールしたゲームはベーシックなものばかりだが、これがそれぞれ新しい機能として、今後の各種新ゲームに導入されて行く事になるのであろう。いやほんとに凄い体験をした。手のひらに、21世紀がやって来た。是非皆様、実機でお試しを。