家庭用放射線測定器、"AIR COUNTER S" がタカラトミーアーツの企画・開発プロデュース、エステーによる販売で発売開始された。誰でも知っている玩具メーカーと、消臭力等の家庭用製品で著名なメーカーのコラボで、この製品が世に出された意味合いは大きい。両社ともこれまでは、「ガイガーカウンター」からはかなり遠い市場で商品を開発・生産していた大企業である。3・11が無ければ、この様な共同企画は生まれなかったに違いない。
実売5千円台という、これまで数万円はしたガイガーカウンター機器の常識を破る様な販売価格で、地上 1m の空中放射線線量を手軽に計測出来る製品である。価格.com のガイガーカウンターランキングでも2月初旬に登場したばかりで1位になっているが、他製品と比較して、価格の安さが際立つ。電動歯ブラシと体温計の中間程度の万年筆サイズなので、携帯するにも手軽である。
早速今朝から利用開始しているが、地上 1m の高さに水平に本機を保持し、ボタンワンプッシュで、35秒のカウントダウンが始まる。それが終わったところで、赤い LED ランプの点滅が止まれば計測完了。利用方法は非常にシンプルで、家庭用と謳うだけのことはある。
今回の3・11で、多くの人が痛感したであろう事は、マスメディアや政府から発せられる情報のタイミングの遅さと、その(意図的な)不正確さ。エアカウンターS の様な低価格機器で個々人が計測する放射線データは、ひとつひとつには多少の計測誤差があっても、恒常的に多くの場所で計測が行われ、その点が大きな集合体となると、より大きなコンテクストを示す事になる。世界中の放射線データを共有する、@Joi も発起人に加わる Safecast プロジェクト等により始まった 草の根放射線ロギングのムーヴメントは、初心者でも使え、価格も手頃なエアカウンターS の登場で、さらに広がって行くに違いない。
当方も少しずつデータを加えて行こうと思う。