オリンパス OM-D にマウントアダプターでオールドレンズを組み合わせてみるシリーズ。第二回は、前回の Contax G レンズに続いて、これまた懐かしい Pentax auto110 用レンズの 18mm f2.8。写真の通り小型カメラの OM-D に組み合わせてもその小ささが突出する、マイクロレンズである。絞りもいじる事は出来ず、f2.8 開放で使う事になるが、マニュアルフォーカスは操作可能。
側面から見ると、レンズの小型さが更に際立つ。まるでトイレンズの様だが、立派な一眼レフ用交換レンズ。発売当初(1979年)の価格は7500円、重さはわずかに27グラム。
前からクローズアップ撮影すると普通のレンズサイズに錯覚するが、実はかなり本体より小さい。
キットレンズ 12-50mm f3.5-6.3 や、Contax G Biogon 28mm f2.8 と比較すると、いかに小さいかがわかり易いのでは。はてさて、最新鋭 OM-D と組み合わせた撮影結果やいかに。
OM-D キットレンズのマクロほどは寄れないが、近接撮影もそれなりにこなす。みずみずしい果実が良く再現されている。OM-D Fn1 ボタンにセットした画像「拡大」を多用することで、マニュアルフォーカスでも正確なピント合わせが可能となる。
特に柑橘系の淡い黄色はデジタルカメラの AF では焦点合わせで迷う事が多いが、MF なので逆にしっかりピント合わせが出来てしまう。
背景ボケも、f2.8 なので極端なものでは無いが、自然なボケ味で好感が持てる。
突然のシャッターチャンスでも、MF のピントを無限遠にあわせておけば、パンフォーカスカメラの様に利用可能。
食べ物の近接撮影でも、18mm、フルサイズ換算36mm の画角は、なかなかに使い易い。OM-D 用の防滴構造を持った 35mm 広角レンズが登場するまでは、このレンズを常時装着しても良いかな、と思える使い勝手。B グルメ撮影が多い当方にとって、ラーメンどんぶりを近接撮影出来る事は非常に重要。(目黒・かづ屋)
老舗の目黒とんきのひれかつもこの通り。
屋外での撮影をすると、オールドレンズらしいややボケた様な色が出易いが、これはこれで本レンズの味、であろう。
夜景撮影でも、f2.8 と明るいレンズは強みを発揮する。そもそも絞り機構が無く、常時 f2.8 の開放絞りを楽しめる明るいレンズなので、暗いシーンでのピント合わせもそれほど苦労しない。
さらに作例を御覧になる場合は、こちらの flickr set からどうぞ。やや大きめ写真のスライドショーは、こちらから。OM-D の携行時のコンパクトさを最大化させたいのであれば、33年前の発売、と今やクラシックな Pentax auto110 用レンズを中古カメラ店で探してみるのも悪くないのでは。新宿界隈であれば、大久保通りのキタムラ、西口ヨドバシ裏の中古カメラ市場あたりで見つかりますよ。