Olympus OM-D (E-M5) で5月5日〜6日の夜、地球に最接近した満月「スーパームーン」を撮影する、それがゴールデンウィーク休暇中の最大のミッションとなった。しかし困った事に、長尺の望遠レンズが無い。フルサイズ換算の焦点距離が2倍になる事を考慮すると、200 - 400mm 程度の望遠レンズが欲しい。はてさてどうしよう、と悩んでいる時に、某国のカメラ・エージェント氏より、思いがけないミッション提示。
なんと、エージェント氏はカメラシステムを SIGMA SD1 Merrill に新調するので、Olympus の古いレンズが不要となり、中古価格もつかないものなので譲って頂けるとの事。しかも 135mm、200mm の2本。これでスーパームーンを撮影することが、重要ミッションなのだという。達成困難そうな指令だが、有り難くお受けする事にして、まずはマイクロフォーサーズ・ボディに 旧 Olympus OM System レンズを装着する為のマウントアダプターを探す事に。Kipon 製が手頃だったので、早速入手。
旧式レンズの OM System 用 200mm f4 が、マウントアダプターで接続するとフルサイズ換算 400mm レンズに。しっかりとした金属製の銅鏡で、安心感のあるレンズだ。絞り値が f32 まであるのも良い。ズームで無く単焦点望遠レンズなので、きちんとピントを合わせると結像もシャープだ。
早速新宿都庁上部のアンテナ群を撮影。まずまずの写りで安心。
コクーンタワーのてっぺんもこの通り。フルサイズ 400mm 相当となると、手持ち撮影出来る限界レンズと思われるが、OM-D EVF でのマニュアルフォーカスでも問題無く焦点合わせが出来て、十分実用的だ。
6日の夜、満月に近づいたところでこのレンズと OM-D を三脚に装着し、月の撮影。慣れない撮影なので試行錯誤で絞り、シャター速度を様々に変化させつつ、良く撮影出来たものを選んで行く。速いシャッター速度にする程に、肉眼ではぼうっと明るい月の表面が、詳細に記録される様になる。まずは白黒モードの撮影で、トリミングするとこんな具合。
月の撮影をカラーで行う際に、WB(ホワイトバランス)の設定がとても難しい。Auto WB で撮影すると、やや赤みを帯びるので、電灯モードや蛍光灯モードにしてみると、青みを帯びた、美しい月の写真になる。このあたりも試行錯誤が必要だ。トリミングしたとはいえ、クレーターまでしっかり写っている。
海外のスーパームーンの写真は、水平線や地平線から月が出たところを超望遠レンズで狙って大きく見せるものが多いが、フルサイズ換算 400mm 程度では迫力のある写真撮影は難しい。そこで、スーパームーン風、の写真を、OM-D の二重露光機能を使って作成してみることにした。その機能を利用すると、サンプラザ上にもスーパームーンが!(苦笑)
からくりは簡単。まずは二重露光機能で2枚撮影を選び、1枚目の風景を 12-50mm キットレンズの広角端で撮影。その後、レンズを 200mm f4 に変えて、1枚目が薄く透明に見える画面上に、月を配置し、2枚目を撮影。これで完成である。これなら簡単に、月と風景の写真を合成出来る。コクーンタワーにも、スーパームーン。(笑)
オールドレンズを楽しみつつ、OM-D の二重露光機能の使い方も覚えるという、やや高度な(?)ミッションを無事コンプリート。ボディは最新の OM-D になっても、古い OM システムレンズの活躍余地はまだまだある様です。某国のカメラエージェント氏に、感謝!
ちなみに、OM-D と本レンズ組み合わせによる作例の flickr set は、こちらからどうぞ。やや大きめ写真のスライドショーは、こちらから。