既に利用している Jawbone Up (詳細レビューは当方ブログ過去エントリ御参照)と機能重複があるので、どうしようかと購入を悩んでいた Nike+ Fuelband。米国出張時、ナイキ・ストア外の広告で店舗販売が始まっている事を知り、「今年の仕事テーマのひとつはスマホと連携するウェアラブル」、と決めて居た当方はそのまま通り過ぎる事が出来ず即導入を決定。Nike Fuelband は、3次元のモーションセンサーを内蔵している点は Jawbone Up と同じだが、最大の違いはブルートゥース無線による、PC/Mac を介さないスマホとのダイレクトなデータ連携機能、そして内蔵 LED により各種表示がバンド単体でも可能であること。そしてこれは(当方の仕事上での投資先なので)やや手前味噌になってしまうのだが、スマホ用 Personal Mobile Network アプリの Path (パス)との連携機能が付加されていること。詳しくは(英語だが)Path社自身 による Blog 発表を御覧頂きたい。
サンフランシスコ中心部、ユニオンスクエアのエッジにあるナイキ・ストアのエスカレータを上がると、二階の一番目立つ場所で Fuelband が販売されている。ナイキの力の入れようが良くわかる。店員さんに聞くと、店舗発売は6月8日から始まった、との事。早速、S/M/L とある3サイズのどれにするか、バンドを装着して確かめてみる。太めの自分の手首にはてっきり L サイズが必須と思っていたのだが、それぞれに大小2種類のエクステンション用部品が同梱されていて、当方でも M + エクステンション大、でピタリだった。あまり緩くても正確に計測出来ないとの事で、大きめの L サイズを今回はパス。Fuelband 販売用カウンターがタッチ液晶ディスプレイになっていて、その場で必要項目を入力すると Fuelband を店員さんがオンサイト・セットアップしてくれる。最初の機器設定の手間が省ける、良心的なサービスである。店舗内 WiFi が完備されていて、iPhone 用のアプリダウンロード、そして店員さん支援の設定まで実施してくれる。Fuelband Tシャツのデザインもクールで、同時購入してしまった。
Fuelband 単体の機能は、Nike Fuel と呼ばれる Nike 独自の運動指標数値、歩数、消費カロリー数、時刻がボタンを押す毎に切り替わり、LED 表示されるというシンプルなもの。
Nike Fuel 値の1日毎の達成 Goal を iPhoneや Mac にダウンロードしたアプリケーションで設定するのだが、推奨される最初の Goal 数値は 2000。使ってみるとわかるのだが、歩数にして1万歩ほど歩くとこの数字を達成出来る。東京都内在住の当方としては、駅間ウォークなど、かなり意識して歩かないと、平日は達成が難しい数値である。Goal へ向けての達成度合いにより、数値の下にある LED バー表示が、赤、オレンジ、緑....と色が変って行く。これが直感的にわかり易い表示で読み取り易く、Fuelband の魅力のひとつとなっている。
充電は USB スロットにそのまま Fuelband の一端を差し込む事で行える。カタログ仕様によると1充電で4日間作動するとの事だが、ここ数日利用した実感では2−3日程度だろうか。iPhone 用アプリが最近刷新され、iPhone でも Fuelband の電池消費量チェックが出来る様になった。ボタン長押しで "Sync" を表示させれば、iPhone 側アプリがバックグラウンドにある状態でもデータシンクが可能。これはなかなかに便利。PC/Mac いらずのウェアラブルデバイス - スマホ無線連携が実用的なものに進化しつつある事を実感出来る。
Fuelband を装着すると、想像以上に普段の歩行に熱心になる。設定した GOAL までの道のりがカラフルな LED 表示で直感的にわかるので、歩行ゲームを達成するかの様に真剣にスポーツ・ウォークをしてしまう、のである。消費カロリーもバンド側でリアルタイムにわかるので、アトキンス・ダイエットと併用すれば、体重減にも効果がありそうだ。今日の東京は夜も小雨模様で、普段なら早々に地下鉄に潜るのだが、GOAL を達成する為に雨の中を歩いて、茅場町で Nike Fuel 値 2000 を達成。さて、ここからが Path 連携の出番だ。
Path 設定そのものは非常に簡単。最新版 Fuelband 用 iPhone アプリをダウンロードすると、立ち上げてすぐに Path と連携させるかどうかをアプリで聞かれる。アイコンをドラッグするだけで、設定完了。Path との連携設定が済み、無事 Fuelband でその日の Goal を達成すると、ソーシャルメディアと連携してフォロワーに Goal 達成を知らせるか、と iPhone アプリが聞いて来る。しかし、その画面での選択肢となる連携アプリは Twitter と Facebook のみ。あれ Pathが無い、との心配は御無用。Fuelband でその日の Goal を達成すると自動的に、1日のアクティビティ・グラフを、その日の Path 投稿箇所を小さな点でグラフ上にプロットした上で、自動アップロードしてくれるのである。
しかもこのグラフ、単なる絵では無い。タッチ可能なインタラクティブなグラフとなっていて、グラフ上の点を押すと、その時にどんな Path 投稿を行っていたか、グラフ上に小アイコンとして表示してくれるのである。さらに小アイコンの説明文右の矢印を押すと、当該エントリーを大きく表示してくれる。
Nike+ Fuelband のグラフが指し示す運動が、どの様な Path タイムラインエントリと結びついているのか直感的に表示してくれる、小さいながらも優れたユーザーインターフェースとなっている。元 Apple に居た、iPhone エンジニアのマジシャン達が集まった Path 社らしく、完成度の高い UI だ。
最後に、こちらの Naver まとめを見ると、ロンドンオリンピックに合わせ、限定スケルトンモデルも発売される模様。運動&ガジェットフリークの方は、日本発売前に海外の知り合い経由等での入手を、トライしてみて下さい。米国ナイキ・ストアでは定価 US$ 149 で Fuelband を購入可能。Path は無料で AppStore から入手出来るので、まだの方は是非お試しを。ウェアラブル機器とスマホの組み合わせで始まる近未来への入口を気軽に体感出来る、ダイエット好適実用ガジェット、なのでありました。