DP2 Merrill を購入する際にひとつ迷ったのは、近接撮影をするには、やや最短撮影距離が長い、ということ。カタログスペックでは28cm が最短距離になっている。解像度が高い DP2 Merrill なので、寄れなくても後でトリミングをすれば良いのでは、という考えもあるが、もう少し寄ってマクロ撮影出来れば、という被写体も数多い。SIGMA がそういうユーザー向けに用意しているのが、オプションのクローズアップレンズ、AML-2。これがあると、最短撮影距離が 19cm となり、更に被写体に近づく事が出来る。
AML-2 は、持つとずっしりとガラスの重みがある。レンズ先端にそのままねじ込みで装着出来るというのは、フードやアダプターをあまり使わない派の当方には嬉しい設計だ。(以前の DP シリーズでは、フードを装着する為のアダプターをまず装着して、それからマクロレンズやフィルターをねじ込む二段階方式だった。)レンズ収納用専用ケースもついてくるのだが、しっかりと出来ていて好感が持てるものであった。外部が黒塗装、内部が赤となっているのも、この手のケースにしては細部までデザインを考えている印象。
AF(オートフォーカス)での撮影も可能だが、被写界深度が浅く、ピントが合う範囲が極めて狭くなるので、目視による MF(マニュアルフォーカス)の方が狙い通りの撮影につながる様だ。四方向キー上ボタンで MF に切り替え、レンズまわりのピントリングで最短撮影距離にした上で、OK ボタンを押して画面中央を拡大。この状態でカメラ本体を前後に動かしつつ最良のポイントを探る。この方法が一番確実である。
本当は 19cm まで寄るマクロ撮影は三脚に設置して行った方が良いと思われるが、手持ち撮影を気軽に出来るというのが DP2 Merrill の利点、という事もあって、当方は出来るだけ以下作例は手持ちで撮影した。解像度をそのまま見る事が出来るオリジナル画像へのリンクも写真下に付加しているので、是非そちらも見て頂きたい。DP2 Merrill はマクロ撮影でも面白く使える事がおわかり頂けるはず。