新宿の某量販店に出掛け、デジカメの店頭価格推移をチェックしていると、大きく価格が下がった機種を発見。以前利用していたが手放してしまった PentaxQ が、1年前新発売時の価格と比較し、半分以下に値下がりし、標準レンズの 01 Standard Prime とのキットが3万円を切っているではないか。店員の方の説明によると、新製品 Pentax Q10 の発売が近づいての価格下落という事なのだが、実はこの既存製品 Q の標準レンズキットも大変お得、かつ auto110 の古いレンズ資産を活かせるものである、という事であるらしい。最近もて余し気味であった auto110 用超小型レンズ群が Q で使えるとなると、再び食指が動く。
さらに説明を伺うと、次機種 Pentax Q10 のレンズキットには、標準レンズの組み合わせが無くズームのみ。単焦点の明るい (f1.9) レンズが好みであれば、PentaxQ のキットを手に入れる方が良い、というアドバイス。それに加えて、Pentax Q10 はカラーバリエーションを重視し、価格を下げての発売となる為、ボディはプラスチック外装に。マグネシウム・ボディの PentaxQ よりはやや手触りベースでの質感は落ちるという。
auto110 レンズを Q 本体に接続する上で欠かせないのがマウント・アダプター。Kipon 製品にそれがあると聞き、新宿ではマウントアダプターの品揃えが豊富な、西口レモン社にて調達。マイクロフォーサーズ用の auto110 マウント・アダプターはやや光漏れがある構造だが、Q 用はしっかりした構造になっている。帰宅後早速、Q 本体にアダプター経由で auto110 用の各種レンズを接続してみる。auto110 レンズ記載の焦点距離 x 約 5.5 倍が、35mm 換算の焦点距離になるため、全てのレンズが望遠域で使用可能な f2.8 と明るい単焦点レンズとなる。
18mm 広角レンズに接続すると、換算 100mm の中望遠レンズ。マウントアダプターとの相性はやや固め。フォーカスは全般に甘めで、あまり実用的では無いと感じられた。
レンズサイズとして最も小型の 24mm 標準レンズに接続すると、135mm 相当になるが、マウントアダプターとの相性はかなりきつめで良く無い。レンズ径が小さいせいか、画質もやはり甘めで、これも実用には厳しいと感じられた。
50mm、換算 275mm 相当になると、レンズ径が大きくなるせいか、それなりに使い勝手の良い画像になってくる。PentaxQ では、画像拡大はメニューから設定すると、OK ボタンを押す事で簡単に行える為、細かいピント合わせもやり易い。4本のレンズの中では、手軽な大きさ、重さである事から、この 50mm レンズとの相性が最も良いかもしれない。
70mm は、金属外装のメタルレンズ。やや重みもあって、ラッパ型フードを装着した状態も美しく、クールな外観。PentaxQ らしい機動性は、レンズが長くなる事で多少失われるも、望遠レンズである事を主張するこの組み合わせは、35mm 換算で 385mm となる。手ぶれ軽減のシャッター速度選択も重要になる。以下の作例は、70mm レンズで、中野にぎわいフェスタ会場で撮影した。
かなり動きが大きい大道芸人の動作が、しっかり止まっている。ボケ味は大きいものでは無いが、それでも主題の強調は出来ている。
ステージ上の歌手の写真。こちらも、激しい動きの中で静止したところを撮影。
南口側の、線路の向こうの丸井本店も、400mm 近い望遠でこれだけ寄れる。
更に多くの作例は、こちらの flickr アルバムを御参照。数年開催が無かった中野まつりの復活となる、中野にぎわいフェスタのステージが活況だった様子も、おわかり頂けるはず。より大きな画像でのスライドショーは、こちらからどうぞ。
ということで、古いレンズを明るい単焦点望遠レンズとして蘇らせる事が可能なマウントアダプター、なかなか面白い訳ですが、Pentax Q ファンの本命レンズは、11月に発売となる 06 TELEPHOTO ZOOM レンズ。f2.8 通しの明るさで、83mm - 249mm の焦点距離をカバーし、重量はわずかに 90g。期待が高まります。
重いフルサイズデジタル一眼をしばらく持ち歩いた反動で、超小型レンズ交換システムの良さを再評価。CMOS は小さいけれど、Pentax Q の画質もなかなかで、コンピュータで見るにはこれでも良いのかな、と再考することしきりな、秋の3連休なのでありました。