金曜日の発売初日に、閉店間際のカメラ店で、予約していた RICOH GR を手に入れた。この2日程で撮り貯めた、こちらの flickr set 作例写真をまずは御覧頂き度い。既存 GR ユーザーなら、CMOS のサイズアップによる画像の恩恵を、十分感じて頂けるはず。GR を購入してから、複雑な設定はせず、自動露出のプログラムシフトモード (P) と、f2.8 絞り開放を使う為の絞り優先モード(Av) 、そしてシャッター&絞り優先(ISO 自動)モード (TAv) で撮影している。
普段は P。背景ボカシを優先に撮る時には Av。そして夜間撮影では、Pentax ゆずりの TAv モードは便利だ。例えば 1/60 秒シャッター、f2.8 開放に設定しておけば、あとは ISO 感度が自動設定されて最適の露出を選んでくれる。
前機種の GR Digital IV から比較すると、目立つ操作面上の変更はこの TAv 設定以外に、親指に腹で AF 操作が可能な AF ボタン、そして側面に設定された丸い Effect ボタン。側面丸ボタンは、短く押すと画像 Effect の種類を選ぶ事が出来、長押しすると現在設定している絞り値でのボケ具合のチェックが可能となる。このボタンを、あまりコンデジ全般に活用されてこなかった左側面に配置したのは英断だったと思われるが、なかなかに便利だ。
画像 Effect 機能はデジイチやミラーレスでも、モードダイヤルのひとつの機能として設定されているケースが殆どだが、モードダイヤルを Effect 利用後に以前の撮影モードに戻すのは結構面倒な操作だった。側面にあれば、基本の撮影モードを崩さずに一瞬で Effect 操作が可能。当方は「ハイコントラスト白黒」で遊ぶ事が多いのだが、その操作が非常にやり易くなった。
その後、塩先生のブログを読んで、最適な設定方法として、f2.8 開放絞りを絞り優先 (Av) モードで更に活用する方法を知った。「GRのレンズを生かす2つの設定」は是非一読頂き度い。絞り自動シフトと ND フィルター設定。これを先生のアドバイス通りちゃんと行って、そして ISO 感度 Auto-HI。ホワイトバランスはマルチパターン Auto。この設定にしておけば、f2.8 開放のレンズの味を、様々な光の条件下で存分に楽しみ尽くす事が出来る。
オプション品としては、GR 用ジャケット GC-6 をまずは購入。皮の手触りもしっかりしていて、そして三脚穴にねじ込む部分にノブが内蔵されていて、コイン等が必要無い構造となっているのは素晴らしい。しかし一点残念なのは、充電ケーブルを差し込む部分に穴が開いていないこと。
RICOH GR の素晴らしさの一つは、モバイル電源から USB ケーブル経由での充電が可能となる部分。WiFi 対応の SD カードを利用すれば、充電用の穴がしっかり開いていれば、ジャケットの着脱頻度を下げる事が出来る。しかし現状では、充電都度、ジャケットを着脱しなければならない。このあたりは改良を望みたい部分である。
意外に思った点としては、背面液晶上部に表示される、内蔵電池容量表示の最初の減りが早い事。使い始めてすぐに1目盛り目が無くなるので、電池消費が激しいのでは、と心配したが、1目盛り減ってからその後の目盛りが減る迄の時間は結構ある様だ。このあたり、今迄の GRD とは違う表示特性かもしれないのでしばらく使って確認してみる必要がありそうだ。
そうしたマイナーな点以外では、これまでの GRD よりほんの少し大きくなっただけの新 GRは、胸ポケットへの収まりも良く、非常に使い勝手が良い。取り出す→スイッチを入れる→撮影する→しまう、スナップ撮影に必要な動作を、流れる様に行えるスピード感を、新 GR は持っている。
毎日鞄に入れて常時携行するカメラとしては少しだけ大きいが、ここまでのスナップ性能、画像性能があると、他の散歩用カメラを当面2軍落ちさせざるを得ない。シンプルだが使い勝手が良く、飽きが来ない毎日の散歩カメラ。RICOH GR の利用頻度は、この夏以降かなり高まりそうである。満足。