
きっかけは、メルボルンの話。Twitter で同僚から「メルボルンが世界一住み易い都市に選ばれた」というニュースを知らされて、瞬間蘇ったのは、ラジオ・オーストラリア日本語放送「ワライカワセミの声」のオープニング。小学校高学年〜中学生時代に流行し始めた、BCL 短波ラジオによる海外放送受信は、インターネットが無い昭和時代に海外情報とリアルタイム触れられる、貴重な機会を提供してくれていた。

秋の夜長に毎晩、雑誌を見ながら竹竿等の素材を工夫し作った手製アンテナを窓の外に突き出し、雑音の海からチューナーのダイヤルを指先で小刻みに回してレアな海外放送局を必死で探す。その時に利用していた秀逸な BCL ラジオ達の記憶も、同時に蘇って来た。松下電器/Pnasonic 製のクーガ (COUGER) 2200。アナログチューナ系の短波ラジオとして昭和51年に登場した本機は、Sony 製のスカイセンサー (Skysensor) 5900 と BCL 少年たちの人気を二分する名機だった。

回転するジャイロアンテナは、MW (中波)のラジオ放送を聴くために有効。大きなフェライトコアが入ったこのアンテナが、BCL ラジオであることを主張していた。ラジオカワセミの声が頭から離れなくなって数週間、中野の路地裏を写真撮影で徘徊していたら、店の中で古くなった本や陳列品を即売している飲食店に遭遇。そしてなんと、埃まみれになったクーガ 2200 が!「動くかどうかわからない」というシロモノだったが、これも運命と、拾うことを即断。1500円でその埃の塊を手にして帰宅。そして丁寧に汚れを落として行くと...おや、中身は結構大丈夫そうだ。試しに眼鏡プラグのコードを、やや口径がずれているのを気にせず後ろに接触させてみると...ちゃんと動くでは無いか!ダイヤル照明ライトも見事に点灯!3連休を利用して、次はクーガ用の電源コードを探すべく、秋葉原へ。