
スナップ撮影は RICOH GR Digital IV (GRD4) を入手して、これで十分と思っていたのだが、GRD4 を購入時にどちらにするか迷った FUJIFILM X10 の評判が気になっていた。ネット上でレビューをいくつか見ると、明るいズームレンズの性能についての評判が良いのである。当方の好みとして最近は、広角または標準の「単焦点レンズ」を装着したコンパクトカメラ(GRD4 や、Standard Prime を装着した PentaxQ) にフォーカスしていたので、X100 の後に現れた、一回り小型のコンデジ標準ズーム機種の X10 は当初、購買予定ターゲットからは外れていた。シャッター音がやや華奢な点も、X100 と比較して少し残念感があって、どうも買う気にはなれないでいたのだ。しかしそれでも、X10 が気になって仕方が無い。店頭でいじり回す日々が続く。どうにも仕方が無いのでいくつか旧機種を提供し、X10 を手に入れる事にした。そして気になっていた理由は手に入れて良くわかった。

X10を手に取ると、X100 同様に金属削り出しのパーツが多用されていて、ボディ品質の高さがまず指先に伝わる。X100 より一回り小さい筐体は、携行性能をアップするとともに、親しみ易さを伝えている気がする。

レンズまわりのズームリングを回転させ、ズームがせり出すと電源がオンになる。この動作は自然で非常に良い。ボタンで起動するカメラの事を忘れたくなるほど、素晴らしい UI であると言えよう。街角でスナップ写真を撮影する時に、こういうショートカットで起動するという機動性が武器になる。そして、アナログダイヤルの配置もナイス。最近コンデジではタッチ液晶が増えて、撮影モードをタッチ液晶上で切り替えねばならない機種も増えているが、モードダイヤルはアナログが一番使い易い。そして更に嬉しいのが、撮影時に多用する露出補正が専用ダイヤルとして設定されている事。しかもそれぞれのダイヤルのクリック感、品質が高い。手抜きが無い。