四角ばった、厚ぼったいミラーレス。でも、ビスケットと呼ばれるレンズは不釣り合いな程極薄。初期の Pentax K-01 の印象は、正直あまり良いものでは無かった。自分の中の「デジイチカメラ像」というものが出来上がりすぎていて、そのデザイン骨格から外れるものに、何か強い反発を感じていたのだ。しかし、一方で、ずっと気になるカメラであり続けた。K-01 の存在は、カメラ店を覗く度にどうしても意識してしまう。好きとは面と向かって言えないが、姿が見えなくなると心配になる、当方にとって K-01 は、そういう不思議なカメラであり続けていた。
そして先日、某量販店で K-01 を見ると、DA 40mm f2.8 XS 薄型レンズとのキットが、実質3万円程になっているではないか。登場時から比べると、あり得ない程の割引率。これは、生産中止か、近々のモデルチェンジを意味しているのだろう。どちらかはわからない。しかし、手に入れるなら今だ、という意識が急激に強まって、マーク・ニューソンデザインのこのカメラをとうとう自室に招き入れた。果たしてそれは、自分でも後で驚く位の、極めて幸福な決断だったのである。